世界中の海に分布し、どんなエサやルアーでも食いつくことから、釣りの外道(狙いとは違う魚)としても有名なボラ。主役の座をさらっていくのは、なにも釣りだけに限らないようです。
明石海峡を通過する海上自衛隊の補給艦。その勇姿を撮影した写真にボラがジャンプして写り込み、SNSの話題をさらってしまいました。
ある意味「決定的瞬間」を撮影し、Twitterに投稿したのは蒼鉄さん。京阪電車などの鉄道をはじめとする乗り物写真を撮影しており、瀬戸内海を出入りする船が集まる明石海峡では、護衛艦を主に撮影しているそうです。
明石海峡は吊橋として日本一の長さを誇る明石海峡大橋もあり、船単独だけでなく橋と絡めた写真も撮れるため、色々な撮影スポットが存在します。この日、蒼鉄さんは気分を変え、初めての場所に足を運んでみました。
海峡を通過する船を眺めていると、東の方からグレーの大型船が近づいてきました。撮影のお目当てとして狙っていた海上自衛隊の補給艦、ましゅうです。
第1海上補給隊に所属するましゅうは、ましゅう型護衛艦の1番艦。日本海側にある京都府の舞鶴を拠点にしています。
今回は2022年7月16日・18日に姫路港で予定されている艦艇広報(姫路には初入港)に備え、明石海峡にやってきたましゅう。全長221mの大きな姿が横位置構図いっぱいに入り、ここぞとばかりに蒼鉄さんはシャッターを切りました。
撮った瞬間「おおおおお!!ましゅう撮れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛゛!?!?」と喜びつつ、うまく撮れたか背面モニターでさっそく確認。すると手前の海面に、なにやらゴミのようなものが写っています。
何かあったっけ……?と画像を拡大してみると、それは海面から力強く飛び跳ねるボラの姿。蒼鉄さんが確認してみると、複数のカットにボラのジャンプする姿が写っていました。
ボラは海面近くを泳ぐ魚で、しばしば大きなジャンプを見せます。時には小さい船の中に飛び込んでくることもあるほど。
ボラがジャンプする理由は科学的に明らかになっていないそうですが、今回はましゅうの進行方向と逆に頭を向けていることから、ひょっとしたら歓迎のジャンプだったのかもしれません。
蒼鉄さんは「ボラが飛び跳ねている姿は海沿いにいれば時たま見かけるのですが、まさか自分が狙った訳でもない状況でたまたま写り込み、シンプルにびっくりしましたし、これはこれで思い出に残る良い記録になったと思いました」と、突然のボラジャンプについて語ってくれました。
試しに写真をTwitterにアップしてみると、ましゅうの勇姿よりもボラジャンプに注目が集まったらしく、7500件を超える「いいね」が付く結果に。蒼鉄さんも「ボラが映り込んだことよりもバズったことへの驚きが大きいです」と、まさかの反応に驚きを隠せない様子。
写真の主役は補給艦ましゅうだったはずなのに、タイミングの良いジャンプでバズりの原因を作っていくとは……。ボラは釣りだけでなく、写真でも堂々の「外道」っぷりを見せてくれたようです。
https://twitter.com/keishinsen/status/1547399419188113408
<記事化協力>
蒼鉄さん(@keishinsen)
(咲村珠樹)