年齢をごまかし実際より若く言ったり、逆に年上だと言ったりすることなどを俗に「サバを読む」といいますが、その語源をご存知でしょうか。
SNSで魚にまつわる色々な情報を発信している「さかなのおにいさん かわちゃん」さんが、4コマイラストで分かりやすく語源を解説しています。
TwitterやInstagram、YouTubeで魚の魅力を発信している「さかなのおにいさん かわちゃん」さん。2021年に「おもしろすぎる!海の仲間たち ツッコミたくなるおさかな図鑑」を上梓したことを皮切りに、「全国クセすご水族館図鑑」や、絵本「すしぞくかん」といった著書があります。
サバとその仲間は世界中に分布し、主要な食用魚として親しまれています。食べられ方もシメサバや煮付け、焼き魚など幅広く、干物や缶詰、サバ節といった加工品も豊富。
また、その脂には脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにするDHAや、動脈硬化を抑制するEPAといった不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)も豊富に含まれ、健康的な生活にも役立ちます。
しかし、体には強い消化酵素があり、死んでしまうとその作用により身が傷みやすいという弱点があります。「サバの生き腐れ」という言葉もあるように、サバの取引や加工はスピードが命。
このため冷凍技術が発達する以前は、数を数える時も丁寧に数えるよりスピードが優先され、ざっくりと大まかな数で取引されることが多かったのだとか。正確な数字ではなく、実際より少々多めでもOKとする取引慣行から「サバを読む」という言葉が生まれた、とする説があります(このほかにも諸説あります)。
サバの魅力について「食べて美味しいのはもちろん、背中の模様は『サバ模様』といって水面のさざなみに擬態するためにあって美しかったり、多面的な魅力があるんです!」と語るかわちゃんさん。今回の4コマイラストは、サバの不漁にともなう「サバ缶ショック」が直接のきっかけになったといいます。
「サバが不漁と聞いて『じゃあ食べるのやめよう』で終わるのではなく、サバのことをもっと知ろうと思って欲しくてサバの面白い豆知識をイラスト4コマにしました」
かわちゃんさんのイラストは、お子さんでも理解できるよう、すべて漢字にふりがなをつけているのが特徴。その狙いについて、食文化や生育環境など、魚を取り巻く状況が変化していることを挙げ、次のように語ってくれました。
「もしかすると100年後の子どもたちは、焼きたてのサンマの味で秋を感じることはなくなるのかもしれません。そうならないために大切なのは関心を持つことだと思っています。今目の前のゴミは拾えますが、100年後のゴミを拾うのは未来の子どもたちなので、オモロさでバトンを繋げていきたいです」
「他にも色々な魚4コマを描いているので、見て面白いなと思ったら周りの人にドヤ顔で『サバってな〜』とぜひ教えてあげてください!」と語るかわちゃんさんはTwitterやInstagram(kawayanfishing)でイラストを発表しているほか、YouTubeチャンネル「さかなのおにいさん かわちゃんねる」では動画ならではの企画がいっぱい。本名の川田一輝さん名義でも、読売テレビ「かんさい情報ネットten.」「す・またん」、サンテレビ「BABABA爆釣Fishing」で水族館や釣りの魅力を伝えています。
サバ缶ショック、サバを読むの語源はサバが痛みやすかったから pic.twitter.com/SiYHQCEVq2
— さかなのおにいさん かわちゃん (@sakana_bro) February 15, 2023
<記事化協力>
さかなのおにいさん かわちゃんさん(@sakana_bro)
(咲村珠樹)