ツイッターに投稿された、おいしそうなたこ焼きの写真。たっぷりとソースが塗られ、上から青のり、かつお節を振りかける王道のトッピングは、見ると思わず食欲がそそられてしまいますが……実はこれ、本物のたこ焼きじゃないんです。

 その正体はなんと「木」。木材を彫刻して作られたアート作品なんです。……と、知った上でもなかなか理解が追い付かないほどの出来栄えにびっくり。テーブルに置いてあったら、間違いなく口に運んでしまう自信があります。

 2万件もの「いいね」が寄せられるなど、作品を見た多くの方を驚かせているのは、木彫りアーティストとして活動する「キボリノコンノ」さん。過去にも「食パン」や「納豆」といった身近な食べ物を、本物そっくりに再現してきました。

 今回の「たこ焼き」制作の様子は、ツイッターにて動画でも紹介されており、一本の木の棒がみるみるうちにたこ焼きに変化していく工程が見られます。青のり一枚一枚や、つまようじの溝に至るまで、全て手作業で生み出されていくさまは、まさに圧巻の一言。

青のりは一枚一枚丁寧にカット

つまようじまでも手作り

 中でもキボリノコンノさんが特にこだわったと語るのは「ソースのとろみと透明感」。とろりと垂れる加減は彫刻刀で段差をつけることで表現し、透明感は茶色の絵具を複数使い分け、生地が透けて見えるよう繊細なタッチで描かれています。

こだわりはソースのとろみと透明感

 また、つまようじに関しても写真でごまかすことなく、きちんとたこ焼きに丸い穴を開けて突き刺したり、作品を乗せる皿までも木で制作するという芸の細かさも作品の見どころです。あくまでも「木」のみで制作を行う、アーティストとしての強いこだわりが、こうした点からも見て取れます。

 完成した作品はまさに「たこや木」といったところでしょうか。加工中の木材と並べて、ようやくこれが食べられないものだと理解出来ました。キボリノコンノさんの技術……まさに恐るべし。

皿も木で作られています

 なお、今作は2月18日から心斎橋・画人画廊(大阪府大阪市)にて開催される「いっちゃんとキボリノコンノ展 in osaka」にて展示予定とのこと。実物を間近で見てみたい方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

<記事化協力>
キボリノコンノさん(@kibori_no_konno)

(山口弘剛)