航空自衛隊とオーストラリア空軍も参加して、アメリカ軍恒例の人道支援空輸、66回目の「クリスマス・ドロップ作戦」が12月11日から、グアムのアンダーセン空軍基地を舞台に始まります。北マリアナ諸島、ミクロネシア連邦、パラオの人々に、クリスマスプレゼントとして食料やおもちゃを届けます。

 クリスマス・ドロップ作戦は1952年に始まりました。WB-50(B-29の改良型)の搭乗員がミクロネシアのカピンガマランギ環礁上空を飛行中、クリスマスのお裾分けとして搭載物資をパラシュートで投下したことがきっかけです。これが恒例となって、現在では50以上の島々に住む、2万人あまりの住民に支援物資をクリスマスプレゼントとして投下しています。

 実際のオペレーションを担当しているのは、横田基地の第374空輸航空団。2017年は使用機がC-130Jスーパーハーキュリーズに改編されて初めての「クリスマス・ドロップ作戦」になります。2015年からは、航空自衛隊の第401飛行隊、そしてオーストラリア空軍のC-130Hも参加して、南洋の島々へ物資を投下しています。

 投下される物資は軍をはじめとして、広く一般から寄付を募っており、グアム島各地に受付用の箱が設置されています。募集している物資は、缶詰、子供向けの本、衣服、歯磨き用品、漁労品、工具、植木鉢(割れない樹脂製)、学童用品、おもちゃ、そして野菜の種など多岐に渡ります。寄付の期間は10月中旬から11月30日まで。また、物資を寄付するほか、10ドルのチャリティTシャツも販売しています。締め切った後は物資を分類し、島ごとに投下物資のパックを作っていきます。



 対象となるほとんどの島は小さく、飛行場が存在しないので、物資は低コスト低高度(LCLA)空中投下という方式を使っています。これは災害時の救援物資を空中から投下する際、アメリカ空軍が標準的に行なっている手法。「クリスマス・ドロップ作戦」は、この投下方式の訓練という名目で行なっています。

 この作戦中、パイロットたちはサンタクロースの帽子をかぶって任務に当たっています。ちょっとユーモラスですね。

 65年に渡る歴史の中で、これまでに100万ポンド(約45トン)もの支援物資を島々に配ってきました。今年の作戦については、公式Facebookページでも詳しく紹介されています。

Photo: USAF

(咲村珠樹)