11月8日、任天堂株式会社は「ゼルダの伝説」の実写映画化を発表。これまで実現しそうでしなかったタイトルの実写化決定は、すぐさまSNSでトレンド入りするなど、大きな話題になりました。なお、公開時期は未定です。

 そういえば直近で他にも色々実写化の発表があったような……と気になったため、今回は今後公開を控えている実写化大型タイトルをまとめてみました。

■ ゴールデンカムイ

 「ゴールデンカムイ」は2014年より約8年間、集英社「週刊ヤングジャンプ」で連載されていた、コミックス発行部数2500万部を超える野田サトルさん原作の漫画。明治末期、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌが秘蔵していた金塊を巡る熾烈なサバイバルストーリーが、魅力的なキャラクターたちによって展開します。

 歴史、狩猟、グルメ、アイヌ民族文化など、さまざまな題材が丁寧に組み込まれたストーリーが多くの支持を獲得し「マンガ大賞2016 大賞」「手塚治虫文化賞 マンガ大賞」など多くの賞を受賞。2018年にはテレビアニメも放送されました。

 主人公の元陸軍兵・杉本佐一を演じるのは山崎賢人さん(「崎」は「たつさき」が正式)。杉本と共に旅をする天真爛漫なアイヌの少女・アシリパ(「リ」は小文字が正式)を山田杏奈さんが演じるほか、眞栄田郷敦さん、玉木宏さん、舘ひろしさんら豪華な顔ぶれが勢ぞろいしたキャスト陣にも注目。映画公開は2024年1月19日となっています。

■ シティーハンター

 北条司さん原作、1985年から1991年にかけて、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた「シティーハンター」。これまでも香港やフランスにて実写映画が公開されてきましたが、満を持して日本版がNetflixで公開されることが2022年に発表されました。

 主人公であるスイーパー・冴羽遼を演じるのは鈴木亮平さん。これまでにも「俺物語!」や「変態仮面」など、演じるキャラクターにあわせて体重を変化させるなど、徹底した役作りに定評がある鈴木さんが、無類の女性好きながら、いざ依頼を受ければ、並はずれた銃の腕と身体能力、冷静沈着な頭脳を備える冴羽遼をどう演じるのかも見どころのひとつです。

 遼の相棒かつ本作のヒロインである槇村香役を務めるのは森田望智さん。その他の配役については2023年11月時点では発表されていませんが、個性豊かなキャラクター達を誰が演じるのか?も気になるところ。

 「キサラギ!」「ストロベリーナイト」で知られる「佐藤祐市」さんがメガホンをとる、実写版「シティーハンター」は、2024年Netflixにて全世界独占配信となっています。

■ スノー・ホワイト

 1937年に、世界初のカラー長編アニメーション映画としてディズニーが公開した「白雪姫」。その実写映画「スノー・ホワイト(原題:Snow White)」が2024年3月のアメリカ公開に向け、製作がすすんでいると報道されています。ただしオフィシャルサイトなどがまだ用意されておらず、今後変わる可能性もなきにしもあらず。世界最大規模のエンタメ情報サイト「IMDb」では2025年公開と紹介されています。

 白雪姫を演じるのは「ハンガー・ゲーム0」や「シャザム!~神々の怒り~」に出演したレイチェル・ゼグラー。その他、白雪姫を殺害しようと企てる邪悪な女王役をガル・ガドットが、ジョナサンと呼ばれる新キャラクターをアンドリュー・ブルナップが演じることが発表されています。

 これまでに「美女と野獣」「シンデレラ」といった実写リメイクを成功させてきたディズニーだけに、大きな期待が寄せられていますが、配役や劇中のCGに対し否定的な声も。こうした意見を払拭する作品になるよう、製作陣には奮起して欲しいところです。

■ ゲッターロボ

 1974年に漫画連載、アニメ放送が開始され、今でも根強い人気を誇る「ゲッターロボ」も、実写映画化されることが2023年4月に発表され、大きな話題となりました。

 製作会社は株式会社ビッグワン。実写化の発表後には、パイロット映像制作のためのクラウドファンディングを開始し、目標金額の356%を達成。作品に対する期待度の高さが伺えます。

 現在はタイトルロゴや、ゲッターロボ3形態の初期開発段階デザインの公開に留まっており、登場キャラクターの配役は未発表。主人公の「流竜馬」らゲッターチームは誰が演じるのか、今後の続報にも注目が集まりそう。

 実写版ゲッターロボは、生誕50周年となる2025年春の劇場公開へ向け、制作準備進行中です。

■ 賛否ある実写映画化 ゼルダの伝説はどうなる?

 時折賛否両論ある漫画・ゲーム原作の実写映画化。原作の世界観にそぐわず、憂き目に遭ってきた作品は、これまでにも数多く存在しているため、製作側としても評価を得られるまで気が気でないことでしょう。

 一方、従来ファンの支持を得られた場合は手放しで称賛され、さらには作品の客層が広がることにより、今後の展開を大きく広げる可能性があることも事実。だからこそ、批判も受け入れる覚悟で挑戦する意義があるように感じます。

 「ゼルダの伝説」実写版はマーベル・スタジオの創設者として「スパイダーマン」など数多くのマーベル作品を手がけたプロデューサー「アヴィ・アラッド」氏が担当。任天堂とソニー・ピクチャーズが出資し、ソニーが配給を手がけることと発表されました。

 この挑戦が、「ゼルダの伝説」という歴史ある作品にとって、どのような評価を得るのか。続報にも期待が持たれます。

<参考>
ゼルダの伝説公式サイト
映画「ゴールデンカムイ」公式サイト
Netflix公式サイト「シティーハンター
IMDb「Snow White(2025)
実写版「ゲッターロボ」公式サイト

(山口弘剛)