2018年3月14日(現地時間)、カタール軍がNH90ヘリコプターを28機発注しました。発注総額は30億ユーロあまり。現在カタールの首都、ドーハで開催されている国際防衛見本市「DIMDEX 2018」で明らかにされたものです。

 NH90は、自衛隊が運用しているUH-60とほぼ同規模の中型多用途ヘリコプター。かつて海上自衛隊の哨戒ヘリコプターや、次期多用途ヘリコプターの候補にあがったこともあります。共同開発に参画したフランス、ドイツ、イタリアをはじめ、ヨーロッパ諸国で広く採用されており、中東ではサウジアラビア、オマーンで運用されています。

オマーン軍のNH90(Image:NH Industries)

オマーン軍のNH90(Image:NH Industries)


ノルウェー海軍のNH90(Image:NH Industries)

ノルウェー海軍のNH90(Image:NH Industries)

 カタール軍が導入するNH90の内訳は、戦術輸送型(TTH)が16機、海軍型(NFH)が12機。さらに双方を6機ずつ増やすオプション契約も含まれるとのこと。カタール軍では現在、保有している各種ヘリコプターの更新を進めており、すでにカタール軍航空士官学校で使用される新しい練習ヘリコプターとして、エアバスのH125が16機発注されています。

 今回の契約では、NH90プログラム(NHインダストリー)参加社のうち、イタリアのレオナルドが主契約社となり、全体のマネジメントを行います。レオナルドのベネチア・テセラ工場で海軍型の12機が最終組み立てを行い、戦術輸送型の16機は、フランス南部にあるエアバスのマリニャーヌ工場で最終組み立てが行われます。

 また、レオナルドが8年間にわたり、サポートと乗員や整備員の訓練サービスパッケージを提供するとのこと。機体の引き渡しは2022年6月までには開始され、2025年に全機引き渡しが終了する予定とされています。

Image:Airbus/NH Industries

(咲村珠樹)