今年の桃の節句は平成最後、しかも日曜日とあって、自宅で盛大におひな様を見ながらワイワイと楽しんだ家庭も多かったかと思います。一方、毎年恒例だけど、大きな段飾りは段を組むのも片付けるのも大変、というご家庭も……。そんなひな人形たちが斬新な飾り方をされていた、とネット上ではざわざわとしています。

 「母上、七段を出すのが面倒になったらしい。ここでもオヤツ会議か?」と、その斬新なおひな様飾りをツイッターに投稿したのは、おもちゃ屋の様なお漬物店「丸越アピタ名南店」のヨコ・イヌコさん。ヨコさんは面白い事ばかりする店長を尻目にちゃきちゃきとお漬物を売っている、食育アドバイザーの資格持ち。

 そんなヨコさんの実家に飾られていたのは、大きめの段ボールの上に緋毛氈(ひもうせん・赤い敷布)を敷き、その上にひな人形たちを円形に並べて飾ったもの。円の中心にはお供え物のオヤツが盛られています。

 このひな人形たちは、ヨコさんが生まれた時に、母方のご実家から贈られたもの。43年モノの7段飾りです。この年代の人って、7段飾りを贈られた人が多かったように記憶しています。筆者も、子どもの頃には毎年狭い社宅の一部屋をどうにかして7段飾りのおひな様を毎年出していました。段を組むのが結構大変で、一人でやろうとするとなかなかしんどかったりするんですよ。小学校に上がってからは幼い筆者も飾り付けと後片付けに参加していましたが……。

 そんな訳で、実家にいらっしゃるヨコさんのお母様が、「歳とって面倒くさいし、車座の方が楽しいだろうと」いう事で、この様な飾り方になったのだそう。ちなみに、ヨコさん宅には2匹の猫たちがいますが、ご実家には猫はいないので安心して飾られているとの事。このひな人形たち、昨年は「ミカン箱にもうせん敷いてダルイ感じで並べてありました」という話。確かに、積まれたみかん箱で段を組んで、辛うじて段飾りな感じに並べてある風情は、ダルイ感じと言えそうな……。7段の骨組み組むのホント大変だから、みかん箱で段を組むというのはアリかもしれませんね……。

 狭い賃貸暮らしをしていると、段飾りは場所を取りまくるのでなかなか出す事すら難しかったりしますが、ちょっと場所をつくってこうした変わった飾り方を工夫するのも良さそうかもしれませんね。

<記事化協力>
ヨコ・イヌコさん(@crocus24th)

(梓川みいな)