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5月17日大地震発生説はデマ 未来人になりすました人物が騒動を謝罪

匿名掲示板2ちゃんねるに登場した、自称2062年からやってきた未来人。彼は、東日本大震災の約3ヶ月も前に発生を示唆していたと噂される人物で、何年も前からネットでは広く知られている人物です。

  • 【関連:タイムトラベラー2062年の人、次は5月17日に2chに再登場?ネットはざわざわ】

    未来人イメージ

    彼は、2010年11月の発言で、次に行くのは2016年4月15日と宣言していたことから、その日は世のオカルトファンから長い間注目されていました。そして奇しくも予定日前日に熊本地震の前震が発生したことで、「彼が来る時には大地震が関係しているのでは?」と噂されることに。

    そんな中訪れた4月15日――。2062氏を名乗る人物が再び2ちゃんねるに登場しましたが、他ユーザーからのいくつかの質問に答えた後、次は5月17日に来ると言い残し去って行きました。なお、彼と同一かは不明ですがこの質問の前に2062氏を名乗る人物から、南海トラフについて語られる場面があったため、いつのまにか「5月17日南海トラフ地震発生説」に話が勝手に拡大解釈されていました。

    それから約1ヶ月。5月17日を目前にした16日夜に……。茨城県で震度5弱を観測する地震が発生。再びネット上は大騒動に。

    ■5月17日登場を宣言したのは、関西の新井さん?

    5月17日朝8時頃、2ちゃんねるにこんな反省スレッドが立てられました。

    2062未来人として5月17日に来ると言った者です――

    スレッド主は、5月17日に再訪すると宣言した2062氏のなりすましと語り、「関西の新井という者です。」と自身のことを名乗っています。
    新井さんはかねてより2062氏のファンであり、4月15日の再登場は他のユーザー同様楽しみにしていたと言います。しかし、中々登場しなかったことから、未来人の過去トリップを使用し、ちょっとしたイタズラ心で2062氏になりきって他ユーザーの質問に答えていたそうです。

    当初は周囲に信じられたことで気分が良く、有頂天にもなったと言います。しかしその後、多くのまとめサイトや、SNS、雑誌、ラジオなど様々なメディアで自分の発言が「本物の2062年未来人の発言」として扱われているのを知り、罪悪感が日々つのり、後悔するようになったそうです。

    そこで文章の中では「多大な方々へ大迷惑をお掛けしてしまいました。被災地で毎日不安な生活をされている大勢の方々を想うと、本当に自分が情けなくなりました。本当に猛反省しています。この度は大変ご迷惑をお掛けしました。」と謝罪しています。

    ちなみに5月17日は単なる思いつきで言ったそうです。念のため書いておきますが、2062氏を名乗る人達※はこの日地震が起きるとはそもそも一言も言っていません。単に再度2ちゃんねるに来ると言っただけ。それが他の情報と組み合わされ、さらに情報が一人歩きする内デマを生み出して行ったのです。 ※なりすまし含め複数の可能性があるため「達」としています。

    2ちゃんねるオカルト板より。

    ■2ch・オカルト板の住人は「知ってた」

    そもそもこの手のオカルト話は、普段なら「ネタ」として単純に片付けられます。しかし今回については約6年前に告知された2062氏の登場日がたまたま地震前後と重なってしまった状況があり、情報が一人歩きする内に尾ひれ背ひれ、さらには煽りや恐怖心まで追加され、いつのまにか「信じるに値する予言者の言葉」か「本物の未来人の言葉」として広まってしまったのにも原因があります。

    ちなみにオカルトネタに慣れている、2ちゃんねるのオカルト板の住人達からは「知ってた」「楽しませてもらったよ」という声が上がっていましたが、2ちゃんねるの外で恐怖的に煽られた記事を見た人の中には信じる人が少なからずいたようで、どうやらNHKにまで「5月17日大地震説」の問い合わせが殺到したようす。

    NHKの公式Twitterアカウントでは16日の段階で、5月17日大地震説について「公的機関以外の情報は「デマ」と考えられます。」と異例の注意喚起を出していました。

    ■オカルトネタを聞いたら防災グッズの点検きっかけ程度に考えて

    編集部では以前からこの手の予言的なオカルトネタについては、「聞いたら防災グッズ見直しのきっかけ程度に受け止めて」と伝えています。
    予言・預言に未来人の言葉。目に見えないもの・理解しがたいものは興味をひかれるし、つい関心を持つのは分かります。でも過去の経験からみるに、この手のネタは「デマ」しかありません。

    そのため、ネタはネタとあらかじめ理解し、もし聞いて不安になることがあれば先にも書いたように「防災グッズの見直し」をするきっかけ程度に受け止め、実際に備品や非常食の見直しをして気持ちを落ち着かせるのが吉。備えあれば憂い無し。
    噂であれ何であれもし地震が発生してしまったら……結局自分や家族を守れるのは自分しかいないのですから。

    ※画像は2ちゃんねるオカルト板のスクリーンショット。

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