NHK・Eテレ『びじゅチューン!』で日曜日の17時55分から放映されたアニメMV『噴火する背中』をたまたま見ていたTwitterユーザーが「あまりに耳から離れない」と呟いて話題になっています。
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■富士御神火文黒黄羅紗陣羽織!?
ポップでカラフルな絵柄のアニメは何やら富士山が噴火した様子をしたためた「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」という羽織を来て台所に立っているママが怒りを羽織で表現し、超怒っているのではないかという様子をユニークに楽曲にのせたもの。「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織(ふじごしんかもんくろきらしゃじんばおり)」というフレーズが何度も繰り返されます。
この「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」は豊臣秀吉が着ていたとされる羽織です、『噴火する背中』はそんな歴史的な美術作品をテーマにアーティストで映像作家の井上涼さんがひとりで手がけた作品だというから驚きです。
以前からのファンは「井上涼さんの作品が話題になってるね」「他の曲もめっちゃいいよ」「これぞ思わず口にしたくなる」など、Twitterでも作品が話題になったことで一気にあちこちから“ファン宣言”が飛び交っています。なお、このMVはNHKの『びじゅチューン!』番組ページでも公開されているので、見たことないかたはこちらから見てください。
■樹花鳥獣図屏風をテーマにした『樹花鳥獣図屏風事件』もおすすめ!
実は筆者も2年ほど前から井上さんの大ファン。たまたま『びじゅチューン!』で見かけた伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風をテーマにした『樹花鳥獣図屏風事件』をテレビで見かけ、その色彩の鮮やかさや脱力系な井上さんの歌声、そしてめくるめくスピーディなアニメの世界の虜になりました。
美術作品の史実通りの事実や情報と井上さんの独特な世界観が融合された『びじゅチューン!』のシリーズは現在までに47作品が放映されており、一部やCDやDVDにまとめられ販売されています。
井上さんは1983年生まれの33歳。金沢美術工芸大学出身で、卒業制作作品である『赤ずきんと健康』がBACA-JA佳作を受賞。さらに、2011年にはトロントジャパニーズショートフィルムフェスティバルで映画祭賞も受賞した実力派です。
『びじゅチューン!』で放映された作品以外にもLGBTをテーマにしたアニメ作品などを発表しており、作曲、作詞、歌、撮影、セリフ、イラスト、編集など作品制作のほとんどを1人でこなしています。
現在『びじゅチューン!』では1作品につき日曜日、木曜日、土曜日の3回放映されているため、気になった人はチェックしてみてくださいね。
なお、井上さんの10年分作品集「テン」も現在絶賛発売中。益々今後の活躍が見逃せません!
▼参考・出典
NHK・Eテレ『びじゅチューン!』番組ページ(http://www.nhk.or.jp/bijutune/)
井上涼さんofficialサイト(http://tanoshimida.com/)
※井上涼さんの年齢について初出時「32」としておりましたが、「33」の誤りでした。訂正しお詫びいたします。
(文:大路実歩子)