荒川弘さんの大ヒットコミック『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス刊)を原作にした実写映画の特報が初解禁されました。公式サイトにて公開されています。
【関連:クライマックスに錬成陣登場!?山田涼介主演「鋼の錬金術師」がクランクアップ】
■実写化反対派の筆者が特報観た感想
本作は同じ原作からテレビアニメが2作あり、さらにアニメ映画化も2作作られています。そのため実写化が発表されるやネットを中心に反対の声が高まっていましたが、初公開された映像を見る限りは漫画がそのまま飛び出てきたような、原作にある景色が現実世界で再現されており、密かに実写化反対派だった筆者は「ちょっと見たい……」という気分にさせられました。
■以前某映画で思い知らされた、実写化される恐怖を
このところアニメや漫画を実写化するケースが多く、その度に反対の声があがっています。理由はそれぞれファンの持つイメージが2次元の世界で完成していることから、現実に出てきた場合にどうしても違和感を覚え、さらに作品によってはオリジナル要素が強く打ち出される事も多いためより原作ファンの心証を悪くしています。
余談ですが、筆者は基本的に仕事の影響もあり実写化は反対も否定もしません。どんな作品もファンがいるだろうし、好きな人は好きだろうから……と否定意見は言わない・書かないようにしていますが!しかし、数年前あまりに評判が悪い某人気漫画の実写映画を「そこまで評判悪いなら良いとこ探しに観に行こう」とポジティブな考えで観に行ったものの一個も納得することができず、以来実写に対してはかなり後ろ向きな考えとなっていました。
それもあり鋼の錬金術師の実写についてもかなーりネガティブな考えを持ち合わせていましたが、イタリアロケで撮影された壮大で美しい風景や、汽車のシーン、丘の上の家、錬成陣、全編フルCGだというアルフォンスに山田涼介さん演じるエドワードの姿込みの世界観をみて、さんざん裏切られ振り回された恋人をもう一度信じてもいいような……そんな複雑な乙女心(編集部注:書いているのはオッサンです)になってしまいました。キュン。
本作世界観を再現するうえで欠かせない部分、CGについてはジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』でCGを手掛けた映像のスペシャリストであり本作の監督・曽利文彦さんが手がけるだけあり、特報時点ではそうした特殊な世界観がうまく再現されている印象。
そして発表時に否定意見が強かった、エドワード役・山田涼介さんも今のところ良いんじゃないかと。筆者の脳内では既にアニメの声(朴ロ美さん)で全て完成しているので、当初「声の違い」に不安を感じていましたが、他の世界観がすっかり「鋼の錬金術師」になっているので、その中にいる山田さんは「ちゃんとエド」という印象。とはいえ、全編で台詞や動きがどうなってるか本格的に見ないと最終判断できませんが、“特報時”ではアリだと思いました。
■とはいえ、裏切られた時は悲しみ倍増になるので期待しすぎず……
本作の撮影は終了しているそうですが、2017年冬の公開まで約1年かけCG映像を制作するそうです。映像化不可能と言われた原作の実写化に挑む本作。期待しすぎは「また裏切られた」時の反動がすごそうなので、とりあえず「特報時は良いけどでもまだ信用してないんだからね!」くらいの気持ちで見守るのが良さそう。でも……今度こそ信じたい。良い物作ってね!そんな気分にもさせられました。もうあの悲しみは二度と味わいたくないのよ!
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
(文:HideI)