今年もそろそろ近づいてきました。いくつになっても気にしてしまう「クリスマス」。別にプレゼントをくれる相手もいないのに、一人ぼっちのクリスマス(通称:クリぼっち)でも妙に意識してしまうその日。クリスマスの大切な主役は子供達ですが、世間を賑わすのはいつの時代も恋人達のクリスマス。

 そんな恋人達がどのようなクリスマスを過ごしているのか。今年再注目のバブル時代と現代で比べてみましょう。

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■バブル時代は「イケイケクリスマス」

 バブル芸人・平野ノラさんのブレイクや田中美奈子さんがボディコン姿で登場したY!mobileのテレビCMの影響もあり、今年はバブル時代が再注目されました。バブル時代のクリスマスといえば、アッシー君に車をまわさせ、メッシー君にミツグ君とはしごしプレゼント回収(アッシー君からも回収する)。最終的には本命彼と「赤プリ」でしっぽりなんことがイケイケギャルの間で行われ当時テレビや新聞、雑誌で取り上げられ話題になりました。

 ちなみに、当時の雑誌などによるとの恋人達のプレゼントはティファニーのオープンハート・ペンダントと、カルティエ三連リングが人気だったようです。記憶をたぐると確かにそのころやけにオープンハートと三連リングを身につけるギャルの多かったことが思い出されます。

 筆者は金曜に放送されていたテレビ朝日のバラエティ番組『はなきんデータランド』で「花金」という言葉を知ったレベルのバルブ時代にはいたけれども子供だったことと、親が普通の生活をつらぬいたため、ほぼ関わりのなかった一人。当時はなぜ世間がこんなにも浮かれているのか事情がのみこめず、テレビで見るたび向こうの世界(バブルの狂乱)にぶっとびーしておりました。

【補足:バブル時期に使われていた言葉】
ボディコン=体のラインを強調した服
アッシー=車を所有し、呼べばタクシーがわりにどこまでも迎えに来て送ってくれる男性
メッシー=食事をおごってもらうだけの男性
ミツグ君=貢いでくれる男性
赤プリ=赤坂プリンスホテル
花金=花の金曜日の略、翌日気にせず遊べる日という意
イケイケ=調子に乗っている様
ギャル=若い女性
ぶっとびー=飛び上がるほどに驚くこと

■現代の恋人達は「ささやかクリスマス」

 現代における恋人達のクリスマス事情。どのような形が主流か、SNSの去年の投稿、さらに過去のニュース記事を漁ってみるとここ最近は、二人で「プチ贅沢」を楽しむか、手作り料理でお家デートを楽しむというケース。さらにプレゼントも高級志向ではなく互いがよろこぶささやかなもの……そんな「ささやかクリスマス」が主流になっているようです。中には、クリスマスイブには二人きりですごさず仲の良い友達を集めてホームパーティーを開きアットホームに過ごす。なんてケースも増えているようです。

 バブル期が異常すぎたんですよね。一年前から赤プリ予約して、プレゼントはPOPEYE(男性誌・当時クリスマス準備号なるものまで刊行していた)を参考に……みたいな手間暇・お金もかかる「イケイケクリスマス」ではなく、現代は贅沢しても「プチ贅沢」、基本は「まったり」「ほのぼの」「ささやか」そんなワードが中心にあるようです。

■SNS映えするクリスマス投稿の9割は家族かぼっちの人らしい

 そしてクリスマスといえばイルミネーション。これをバックに二人のラブラブ写真をSNSにUP!なんてことも流行ってるんでは?と昨今のSNS普及をみて思っていましたが、クリスマスにSNSに投稿された画像を分析すると何と恋人絡みのものは1割程度しかなかったそうです。

 イルミネーションマップを提供するSNAPLACEが独自のアルゴリズムで昨年のクリスマスのSNS投稿を分析したそうです。発表によると「恋人絡みのSNS映え投稿は約10%程度と低く、ほとんどが友達や家族、又は一人で過ごしている投稿だと判明」とのこと。

 意外ですね。もっとSNSで「私たちラブラブでーす」とかやってるかと思ってましたが、クリスマス当日の恋人達にはそんな対外的余裕はないようです。ということは……クリスマスにばんばん写真を投稿している9割というのは……。今年のクリスマスには思わず深読みしてしまいそうです。

(文:大路実歩子/編集:宮崎美和子)