イタリア空軍は2018年2月20日(アメリカ時間)から、カリフォルニア州にあるアメリカ海軍のチャイナレイク海軍武器センターで、敵防空網制圧(SEAD)訓練「ブレイジング・シールド」を行なっています。
この「ブレイジング.シールド」は、10年前から定期的に行われているイタリア空軍の敵防空網制圧(SEAD)の訓練。イタリア国内に適切な訓練場所がないため、アメリカ海軍の施設を利用して行われています。
第6飛行隊から4機のトーネードECR、第4、第36、第37飛行隊から4機のユーロファイター・タイフーンと、第46航空旅団から1機のC-27Jスパルタン輸送機が参加。このほか物資や人員の輸送にC-130Jと、大西洋横断飛行時の空中給油機としてKC-767Aが使用されています。全体で220名の人員が参加し、指揮をとるのはマルコ・ベルトリ大佐です。
今回の主な目的は、新たに導入した対レーダーミサイルのAGM-88E「AARGM」の運用訓練。実射を通してAARGMの性能確認と、運用方法の確立。あわせて、実戦的な異機種間共同作戦の進め方についても訓練を行います。AARGMは、2種類のシーカーを搭載したためにこれまで以上に精度が高まり、旧東側諸国がNATOに加盟したため、共同作戦を実施する上で旧ソ連系のレーダー設備を持つ友軍設備への誤射・誤誘導を減らしたAGM-88「HARM」の最新バージョンです。
ブレイジング・シールドは、今後2ヶ月間の訓練期間を予定しています。
Image:Aeronautica Militare
(咲村珠樹)