イタリア空軍の曲技飛行隊「フレッチェ・トリコローリ」が、創設60周年を記念するエアショーを本拠地のリヴォルト空軍基地で、2021年9月18~19日(現地時間)に開催しました。イタリアのマッタレッラ大統領も基地を訪れ、ヨーロッパ4か国から祝福のために集まった曲技飛行隊とともに大空での妙技を堪能しています。
フレッチェ・トリコローリは1961年、それまで飛行隊ごとに存在した曲技飛行隊を発展的に解消し、新たにイタリア空軍を代表するチームとして発足しました。初期はF-86Eでしたが、2代目となるフィアットG.91からはイタリアの国産機を使用し、飛行機とパイロット双方における技術の高さをアピールしています。
創設60周年を記念するエアショーには、スイス空軍の「パトルイユ・スイス」、スペイン空軍の「パトルーラ・アギラ」、フィンランド空軍の「ナイトホークス」、ポーランド空軍の「オルリク」と、4か国の曲技飛行隊が祝福に駆けつけました。ヨーロッパの場合、各国空軍の曲技飛行隊が親しく交流する場面もよく見られます。
マッタレッラ大統領はローマから、政府専用機のA319でリヴォルト空軍基地に到着。ゲリーニ国防大臣、ロッソ空軍参謀総長が付き従います。
展示飛行では、世界トップクラスのテクニックを有するフレッチェ・トリコローリらしさを十二分に発揮。クライマックスには大空に、イタリア国旗と同じ緑・白・赤のスモークでアーチを描きました。
エアショーの終了後、ゲリーニ国防大臣は記者団に対し「この日を説明するのに言葉は不要です。私たちが目にした素晴らしい光景で十分です。この60年間、フレッチェ・トリコローリはイタリアをはじめ世界中の空を飛び、イタリア空軍の技術的及び人間的な素晴らしさの大使として、名声と伝統に包まれてきました」との談話を発表しました。
ロッソ空軍参謀総長は「イタリアにとって誇りに満ちた記念日です。イタリアで教育を受けたイタリア人パイロットが、イタリアの国産機で飛ぶ。フレッチェ・トリコローリは空軍の一部にすぎませんが、その背後には多くの人々がいて、アフガニスタンからの退避支援やCOVID-19との戦いなど、それぞれの任務を果たしているのです」と、空軍を代表する存在としてのフレッチェ・トリコローリについて語っています。
フレッチェ・トリコローリは今後、新しいジェット練習機M-345への機種変更が予定されています。これからも多くの国で、卓越した展示飛行を見せてくれることでしょう。
<出典・引用>
イタリア空軍 ニュースリリース
イタリア国防省 ニュースリリース
Image:イタリア国防省
(咲村珠樹)