2018年9月28日、パナソニック株式会社がブルーレイディスクレコーダー「おうちクラウドDIGA(ディーガ)」の新商品(10月19日発売)とHDペットカメラ(12月13日発売)の発表を行いました。AV機器らしくない白を基調としたボディは驚くほどコンパクト。そしてネットワークを通じて様々なものとつながる、まさに家庭内のクラウドドライブのような存在です。
都内で行われた発表会には、CMに出演中の遠藤憲一さんが登場。パナソニックの宮地AVC商品部長に、新しい商品について質問をぶつけました。
番組を録画して楽しむだけでなく、スマホなどで撮影した写真や動画も取り込んだり、またディーガに保存してある番組や写真などをスマホやタブレットで楽しめるとあって、遠藤さんは「もはや録画機じゃないですよね?」と宮地部長に迫ります。あまりのマルチぶりに「もう「録画機」って言わなくていいんじゃないですか?」という遠藤さんに、宮地部長はタジタジ。
でも宮地部長は、様々なデータを取り込み、テレビやスマホで楽しめるものの、基本は録画機です、とのこと。遠藤さんは「いっそのこと「これは録画機じゃありません。パナソニックは録画機やめちゃいました」って言った方がインパクトありますよ」と過激な提案。宮地部長も「せめて「脱録画機宣言」くらいに」と応じたため、遠藤さんは我々記者に向かって「聞きましたか?見出しはこれで行きましょうよ」と呼びかけました。
そして話題はHDペットカメラへ。遠藤さん「うちの女房が「5年前に出ていたら」って言ってたんですよ」と一言。遠藤さん宅では5年前、飼っていたマルチーズを亡くしたんだそうで、その当時このペットカメラがあれば、日常の姿を撮っておけたのに……という思いがあるそうです。
以前遠藤さんが使っていたペットカメラでは、容量の関係で動画がカクカクとコマ落ちする画質でしか残せなかったので、よけいにフルHD画質で残せることが強く印象に残ったようです。またペットだけでなく、年老いた親を離れた実家に残している場合に、ちょっとした異変に気付くことがあるかもしれないね、とも話していました。
また、写真が趣味だという遠藤さんが撮った写真を「おうちクラウドDIGA」に転送して鑑賞するシーンも。黄昏のビル街や、ロケの合間に撮ったという野生のサルといった作品を見ながら、その時のエピソードを話してくれました。サルは野生なので、逃げられないように間合いを慎重に詰めていったとか。
発表会が終わって、商品を見ながら担当の方に話をうかがったところ、この新しい「おうちクラウドDIGA」の開発責任者は女性だそうで、もう少しほかの家具と調和がとれないか、ということを主眼に開発したといいます。「おうちクラウド」機能を付けた商品を発表して以降、女性が機器を操作する頻度が高くなったそうで、商品購入時にも女性の意見が大きく影響しているとの調査結果も後押ししたようです。
実際に家具店などに行くと、昔ながらのAVボードよりユニットシェルフが多くなっており、テレビを壁面にかける家庭も多くなっていることから、ユニットシェルフに収まるサイズを第一に開発したといいます。ハードディスクは熱に弱いので、ハードディスクについても見直して、その排熱についても考慮されてこの大きさにとどめたのは結構大変だったとか。また、ボディを白にしたのも周りの家具と調和することを考えてのこと。印象を柔らかくするために角も丸め、操作ボタンも丸い形状にしたといいます。
地上デジタル、BS・110度CSチューナーの数は6つと3つ。6チューナーモデルのHDD容量は3TB、3チューナーモデルのHDD容量は1TBと2TBのモデルがあります。また、3チューナーで2TBのHDD容量にくわえUltra HDブルーレイディスク再生が可能なモデル(DMR-UBZ2060)も。いずれも価格はオープンで、予想価格は7万1000円~8万6000円くらいとのこと。
HDペットカメラは200万画素のフルHDカメラが付いた、いわゆるネットワークカメラ。上部に赤外線センサーがついており、ここでペットの体温を検知してそちらの方向へカメラを向けることができます。もちろん、カメラの方にも動体検知の機能があり、被写体がフレームをはずれそうになると追いかけるように動き、赤外線センサーと合わせて不規則なペットの動きを追うことが可能。
撮った映像は本体のSDカードだけでなく、自動的に「おうちクラウドDIGA」に送られて、スマホやタブレットで共有することができます。個人的には、留守中にペットが“やらかす”決定的瞬間を押さえられるのではないかと期待したいところですね。こちらも価格はオープン。
「おうちクラウドDIGA」は家庭内のネットワークにつながっているので、Googleアシスタントのスマートスピーカーと連携することも可能。スマートスピーカーから声で操作ができます。番組名だけでなく、キーワードなどでも保存してあるデータを検索でき、使用しているとその状況を学習して、どんどん使いやすくなるといいます。
パソコンからはネットワークにつながったハードディスクとして認識され、パソコンのハードディスク同様の操作も可能。市販のCDをリッピングする際に、ハイレゾ音質にアップコンバートして保存もできる上、もちろんハイレゾ音源の再生も可能。スマホに保存した音楽や映像をテレビで再生したり、その逆もできるという訳です。
聞けば聞くほど、遠藤さんが言っていた「もう録画機じゃない」というのが実感できる内容。様々な機器がネットワークを介してつながるIoT時代のAV機器はこうなる、というパナソニックからの回答が、新しい「おうちクラウドDIGA」なのかもしれません。
もちろん、通常のボディを持ったブルーレイディスクレコーダーも新機種が登場。最上位モデルは4Kチューナーを内蔵するなど、目の肥えたファンも満足できるラインナップと言えそうです。
取材協力:パナソニック株式会社
(咲村珠樹)