フランス陸軍は2019年7月4日(現地時間)、陸軍の新型汎用装甲車グリフォンの第1次納入分6両を受領したと発表しました。受領式典にはパルリ軍事大臣も出席し、第1号車のナンバープレートを持ち、記念撮影に応じています。

 新しい汎用装甲車グリフォンは、フランス陸軍が進める装甲戦闘車両の近代化を目的とする「スコーピオン計画」の一環で、VAB装甲車の後継として採用されたもの。フランスの防衛企業ネクスター(Nexter)製の装輪装甲車で、陸上自衛隊の輸送防護車と同様、歩兵機動車(IMV)に分類される兵員輸送車です。

 スコーピオン計画は、2020年代のフランス陸軍における装甲戦闘車両の近代化を目的としたもの。グリフォン装甲兵員輸送車のほか、いわゆる「装輪戦車」のAMX-10RCやERC 90の後継となるジャギュア、サーヴァルの採用、そして主力戦車ルクレールの近代化改修も実施されます。

 グリフォンは全長5.58m、全幅2.54mの6輪車。舗装路と非舗装路を問わず最高時速90kmで走行可能で、上面に設けられた遠隔操作式の銃座には12.7mm、7.62mm機銃もしくは40mmグレネードランチャーを装備します。運用に必要な2名(操縦手・射手)のほか、8名の人員を輸送することができます。

 一般的な防弾装備のほか、地雷や紛争地で多用されるIED(即席爆発装置)に対する防護性能があり、核・放射線・生物・化学(NRBC)兵器による攻撃にも対応しています。

 スコーピオン計画では派生型を含め1872両のグリフォンを導入予定で、2019年末までに92両を受領することとしています。受領した車両はまず、第3海兵歩兵連隊を皮切りに、第13アルペン猟兵大隊、第1歩兵連隊、第21海兵連隊、第3海兵歩兵落下傘連隊に配属される予定。その後各部隊へと増備が進むことになります。

<出典・引用>
フランス陸軍 プレスリリース
フランス装備総局 プレスリリース
Image:フランス陸軍

(咲村珠樹)