フランス軍事省装備総局(DGA)とエアバスは、フランス軍の次期小型汎用ヘリコプター「ゲパール」の初期研究作業を開始したと2020年2月6日付(現地時間)で発表しました。ゲパールは陸海空軍が統一して使用し、部品調達などのコスト低減も実現します。
フランス陸海空軍で使用する小型ヘリコプターの機種を統一し、部品調達などの効率化を進める「統合系ヘリコプター(HIL)」計画で採用されたのが、エアバスH160をベースにしたゲパール(チーター)です。陸軍のSA342ガゼル、海軍のSA365ドーファン/SA319アルエットIII、空軍のAS550フェニック/AS555フェニック2をそれぞれ更新します。
ゲパールの採用が発表されたのは、パリ・エアショウを目前に控えた2019年5月27日。同年12月30日には、機体メーカーであるエアバスと、エンジンメーカーのサフランに対し、設計をまとめるための研究を正式発注。これは当初の計画より、2年ほど前倒しするスケジュールとなりました。
計画を加速する要因の1つとなったのは、海軍で使用しているSA319アルエットIII(1960年就役)の老朽化による退役。このため、ゲパールが調達されるまでの“つなぎ”として、2019年12月31日付でSA365ドーファンを12機、2020年1月31日付でH160を4機、暫定的(10年間のレンタル契約)に発注しています。
今回の詳細設計発注を受けて、エアバス・ヘリコプターでフランス政府との窓口を務めるアレクサンドラ・クロス副社長は「軍事省とゲパールとその関連プロセスに関して、できるだけ早い段階から共同作業を始める必要がありました。得られる結果は、H160Mがフランス軍に納入された時点から高い能力を発揮させるために不可欠です。この検討作業は、これまでにフランス軍に納入されたクーガー、カラカル、ティグレの経験に根差したものとなります」とコメントしています。
フランス軍事省とエアバスによると、ゲパールの開発作業が本格化するのは2021年。2026年には最初の機体がフランス軍に納入される見込みだとしています。
<出典・引用>
フランス軍事省装備総局(DGA) プレスリリース
エアバス プレスリリース
Image:Airbus/DGA
(咲村珠樹)