イギリスとフランス共同の水陸両用訓練「グリフィン・ストライク」が、2019年10月7日(現地時間)からイギリスのスコットランド近海で始まりました。10月17日まで行われるこの共同訓練では、英仏の揚陸艦による水陸両用作戦の訓練などが行われています。
英仏共同訓練「グリフィン・ストライク」は、イギリスが主催して日本を含む14か国(イギリス、日本、アメリカ、オランダ、カナダ、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フランス、ベルギー、ラトビア、UAE)が参加する大規模な多国間共同訓練「ジョイント・ウォリアー」の一環として実施されるもの。2020年に予定されている英仏共同遠征部隊(CJEF)の発足に向けた準備段階として、英仏両国の部隊がスムーズに共同作戦を行えるか、という試験を兼ねています。
この英仏共同遠征部隊は、現実世界の情勢を反映し、大規模な人員救出や人道支援活動、または短期間の平和維持活動などの軍事行動を行うことを目的として組織されるもの。国際協調の流れに沿って、両国の部隊がより柔軟に任務に当たるようになります。
水陸両用作戦の訓練に参加した揚陸艦は、イギリスのドック型輸送揚陸艦アルビオン(L 14)と、フランスの強襲揚陸艦トネール(L 9014)。イギリスのスコットランド沖で訓練が行われます。
強襲揚陸艦トネールが母港にしているのは、穏やかな地中海に面したトゥーロン。北の荒れた海での経験を持つ乗組員は全体の2割ほどということで、多くの乗組員がスコットランドの海の洗礼を受けました。
トネールの艦長トランシャン大佐は、乗組員が荒れるスコットランドの海での訓練はいい経験になると考えているようです。「このグリフィン・ストライクには多くの利点があります。普段訓練しているトゥーロンとは全く異なる荒れた海での経験はもちろん、大きな海軍力を持つ他国の部隊と訓練するというのは、とても良いことです」
共同作戦訓練の一環として、イギリス空軍のCH-47ヘリコプターには、フランスの海兵隊員とイギリス陸軍の兵士が同乗。アルビオンから訓練区域へと移動しました。ちなみに、相互の意思疎通は各国の軍で共用語とされている英語を使用しています。
英仏共同演習「グリフィン・ストライク」は10月17日まで行われ、英仏両国の部隊はこの訓練を通じて、相互理解と共同作戦能力の確立を目指します。
<出典・引用>
イギリス海軍 プレスリリース
Image:Royal Navy Crown Copyright 2019
(咲村珠樹)