ボーイングは2019年10月22日(現地時間)、アメリカのラスベガスで開かれているイベントで、VIP仕様のB787-9を2機、単独の顧客から受注したことを発表しました。価格は5億6400万ドル(約612億5600万円)だといいます。
ボーイングでは、VIP向けプライベートジェット仕様を「ボーイング・ビジネスジェット(BBJ)」と呼んでいます。2019年現在のラインナップは、B737MAX、B787、B777X、B747-8。いずれも通常の客室空間を快適な空の移動のため、リビングルームやベッドルームのようにしつらえています。
ボーイング・ビジネスジェット(BBJ)は、顧客の要望に応じてきめ細かく客室などの仕様を決定できるため、各国の要人が使用する政府専用機などは、基本的にこの仕様で発注されます。2017年3月には、B737ベースのBBJがポーランド政府専用機として発注されています。
客室は要望に応じて様々なデザインが可能ですが、一例として示されたダイニングやベッドルーム、シャワーブース(ラバトリー)の画像は、飛行機の中というより、ホテルのスイートルームのよう。客室面積は最大で257.8平方メートルにも及ぶといいます。まるでマンションですね。
BBJをはじめとするVIP仕様機は、政府専用機のほかチャーター航空会社からも発注されますが、ボーイングは今回の発注者について「顧客の希望により非公開」と発表しています。ひょっとしたら、個人からの発注なのかもしれません。
ボーイングのコマーシャルセールス&マーケティング担当のイッサーネ・ムニール上級副社長は「BBJ 787-9はこだわりの強いお客様にとって、最上級の快適性で世界中のどんな都市にも飛べる最適な機材です。たとえばロンドンからシドニー、また、東京から南アフリカのケープタウンまでといった形です。今回のお客様も、その能力以上のものをお感じになることでしょう」と、今回の受注に対してコメントしています。
ボーイングによると、BBJ 787-9は今回を含め、各国政府や計16機が発注されているとのこと。1996年にボーイング・ビジネスジェットを立ち上げてからは、トータルで262機の発注があり、うち240機を顧客に引き渡しているといいます。
私たち一般人が乗る機会はなさそうですが、一度はこんな豪華な大型プライベートジェットを見学してみたいものですね。
<出典・引用>
ボーイング プレスリリース
Image:Boeing
(咲村珠樹)