おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「クラロワリーグ アジア2019」シーズン2王者は韓国のOGN ENTUS 日本のFAV gamingと世界一決定戦へ

 Supercellのモバイルゲーム「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ アジア2019」シーズン2決勝が11月2日(現地時間)に韓国・ソウルで行われ、OGN ENTUSが日本のFAV gamingを破り王座を手にしました。

  •  カードデッキの構築と攻防の戦略・戦術バランスが勝負を分けるクラロワ。決勝に進んだOGN ENTUS(韓国)とFAV gaming(日本)の両チームはレギュラーシーズン、ともにGroup Bに所属。グループ内でも1位2位を争う高度な戦いを繰り広げ、絶好調のままプレイオフのトーナメントを各々3連勝して決勝の場へ進んできました。


     決勝戦は、全5セットで3セット先取した方が勝利するベスト・オブ・5(BO5)制。セット1は2v2、セット2〜4を1v1、セット5はKOH(キング・オブ・ザ・ヒル)で争われます。

     2v2のセット1、FAV gamingは今シーズン9勝1敗と好調のけんつめし選手/きたっしゃん選手ペアが出陣。対するOGN ENTUSのThunder選手/One Crown選手ペアとはシーズン2で2度対戦し、どちらもFAV gamingが勝利を収めています。

     1勝1敗で迎えたゲーム3。ここをThunder選手/One Crown選手ペアが取り、2勝1敗でOGN ENTUSが勝利。セットを先取して試合のペースを握ります。

     続くセット2の1v1では、OGN ENTUSのTNT選手がJACK選手(FAV gaming)の苦手とするカードを駆使したデッキを構築。戦略が見事にはまったTNT選手、JACK選手を撃破してOGN ENTUSが2連勝し、早くも優勝に王手をかけます。


     いきなり崖っぷちに立たされたFAV gamingでしたが、セット3の1v1に登場しただに選手は冷静な試合運び。プレッシャーをものともせず勝利を挙げ、セット4へと思いをつなぎます。

     セット4では、この日2回目となるJACK選手(FAV gaming)とTNT選手(OGN ENTUS)の顔合わせ。セット2でのリベンジを誓うJACK選手はゲーム1を先取してプレッシャーをかけますが、TNT選手は冷静さを失わずに試合を進め、一進一退の攻防を制して勝利。


     この瞬間、セットカウント3対1でOGN ENTUSがFAV gamingを退け、シーズン2の王者となりました。

     OGN ENTUSのThunder選手は、試合後「FAV gamingにはレギュラーシーーズン中に2回負けていたので緊張もありましたが、負けるとは思わないように今回の試合に臨みました。これまでとはBANカードを変え、相手を翻弄できたことで試合を有利に進められたのではないかと思います」とコメント。

     FAV gamingキャプテンのけんつめし選手は「この日に向けて準備してきましたが、相手が一枚上手でした。2v2でBANカードとして『ポイズン』が指定されるのは予想外で、準備はしていたものの、OGN ENTUSの方が準備量が多かったのだと思います。チームの勢いを考えると、初戦の2v2を取れなかったのが申し訳なかったです」と決勝を振り返っています。

     このシーズン2、FAV gamingは選手のみが韓国に長期滞在し、おこめちん監督のみが日本とを往復するという形で臨みましたが、これについては「練習時間だけでなく、練習の質も上がりました。監督とのコミュニケーション時間は減ってしまいましたが、それでも勝ち上がれたのは、選手1人ひとりが成長できたから。監督の方針である『監督がいなくても勝てる』状態に近づけたと思います」と、けんつめし選手はコメントしています。

     また今回初の試みとして、決勝戦の前に決勝進出2チームを除く10チームの選手らによる「オールスターマッチ」が開催されました。

     出場選手は、事前にクラロワニュース内にあるeスポーツタブでファン投票を実施し、10選手を選抜。ファン投票1位を獲得したX-Bow Master選手(OP.GG SPORTS)と、2位のBenzer Ridel選手(Chaos Theory)がそれぞれリーダーを務める2チームに分かれて5セットの試合を行いました。

     X-Bow Master選手率いる「TEAM X-Bow」は、X-Bow Master選手のほか、KK選手(Game With)、iSlaw選手(SANDBOX GAMING)、DRX Line選手(DragonX)、Joker選手(DetonatioN Gaming)という顔ぶれ。

     対するBenzer Ridel選手の「TEAM Mortar」の顔ぶれは、Legend選手(KIX)、みかん坊や選手(PONOS)、Tocilovac選手(Talon)、Manong Jhipee選手(Bren Esports)の5名。

     セット1は抽選で選ばれたファンとペアを組んで対戦する「ファンといっしょに2v2」。BO1制で行われた試合に勝利したのは、TEAM MortarのTocilovac選手とファンのペア。

     セット2は、クラロワリーグが用意した「高回転ウォールブレイカー」「ロイヤルジャイアント&オープン」「バルーン&ディガー」「P.E.K.K.A &攻城バーバリアン」「2.9クロスボウ」の5種類のうち、どれか1つを選んで対戦する1v1「クラロワリーグ アジア クラシックマッチ」。BO1制のこの対戦を制したのは、P.E.K.K.A &攻城バーバリアンデッキを引いたみかん坊や選手。TEAM Mortarが連勝しました。

     ファンが投票で選んだカードを1枚ずつデッキに入れて対戦する「マストカードマッチ」となった1v1のセット3(BO1)。出場したKK選手(TEAM X-Bow)にはゴブリンバレル、Manong Jhipee選手(TEAM Mortar)にはP.E.K.K.Aが指定されました。この対決でManong Jhipee選手が勝利し、TEAM Mortarは破竹の3連勝。

     BO5マッチであれば、これで勝負あった……というところですが、これは夢の対決なので5セットのマッチが全て行われます。セット4の「トリプルドラフトマッチ」(BO1)は、提示される3枚のカードのうち1枚のカードを選んで計8枚のデッキを組んで対戦する1v1。Joker選手がLegend選手を破り、TEAM X-Bowが文字通り一矢を報います。

     最終戦となる「スターマッチ」は、X-Bow Master選手とBenzer Ridel選手、両チームのリーダー対決となる1v1(BO3)。ここは2対0のストレートでX-Bow Master選手が勝利し、通算成績はTEAM Mortarが3対2でTEAM X-Bowを破る、という結果になりました。

     今回のシーズン2を制したOGN ENTUSと2位のFAV gamingは、12月7日にアメリカのロサンゼルスで開催される世界一決定戦に、アジア代表として臨みます。世界一決定戦ではアジアのほか、ウエスト、チャイナの3地域から集まった全6チームが、世界一の座をかけて戦います。

     シーズン2決勝で弱点を突かれてしまったFAV gamingのJACK選手は「これまで苦手なデッキに対する対策を練習していましたが、今回マジックアーチャーに苦戦をしたように、これからは特定のカードに対する対策が必要だと思いました。ここでくよくよしていても仕方ないので、世界一決定戦に向けて頑張ります」と、ロサンゼルスでの決戦に向けて意気込みを語っています。

     チームの状況について、FAV gamingのおこめちん監督は「シーズン1では勝てない時期が続いていましたが、シーズン2は勝てるようになってきました。ファンの方の期待の声に応えられるように、世界大会で結果を示したいと思っています」と、選手の成長を感じている様子。12月の世界一決定戦での闘いぶりに注目です。

    情報提供:Supercell

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • Zwift
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    【オンラインゲーム千夜一夜】 第九回 スポーツオンラインゲーム? 近未来は体を動…

  • 発表会に登場したフワちゃん(右)とSBIホールディングスの山根さん
    イベント・キャンペーン, ゲーム

    メタバース空間でeスポーツとアーバンスポーツを3D観戦「SBI Neo fest…

  • 画像提供:株式会社NTTドコモ
    イベント・キャンペーン, ゲーム

    ゲームガチ勢・新田真剣佑がeスポーツ「RJL2021」開幕ムービーに出演

  • 賞金総額3200万円!RJL2021開幕 全8チームと対戦日程を発表
    イベント・キャンペーン, ゲーム

    賞金総額3200万円!eスポーツ「RJL2021」開幕 全8チームと対戦日程を発…

  • イベント・キャンペーン, ゲーム

    国内史上最多チームが参戦 eスポーツ「PMJL SEASON 0」本選が9月26…

  • ゲーム, ニュース・話題

    ストリートファイターとカップヌードルが最強タッグ結成!?コラボステージ爆誕

  • イベント・キャンペーン, ゲーム

    NTTドコモ主催「PUBG MOBILE」公式eスポーツ大会が開催 賞金総額10…

  • ゲーム, ニュース・話題

    アメリカ海軍eスポーツチーム Twitchでのライブ配信再開

  • イベント・キャンペーン, ゲーム

    賞金総額2500万円 2020年国内最大規模のeスポーツ大会「荒野CHAMPIO…

  • ゲーム, コラム・レビュー・取材

    「パワプロ」で日本シリーズ前哨戦!?ヤクルト山田哲人やダチョウ倶楽部も登場

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • Web展示「違いを知ることからはじめよう展」
    社会, 経済

    生理やPMSテーマのWeb展示、ツムラが公開 約5000人来場の企画展を再構成

  • 京都アニメーションをかたる偽サイト複数確認 公式が注意喚起
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    京都アニメーションをかたる偽サイト複数確認 公式が注意喚起

  • 博多座、高額転売者の情報開示手続きへ 「看過できない」と強い姿勢
    エンタメ, 舞台

    博多座、高額転売者の情報開示手続きへ 「看過できない」と強い姿勢

  • 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく
    社会, 経済

    雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

  • 声優とAIの共存を模索 81プロデュースとイレブンラボが業務提携、オリジナルの声を守り多言語展開へ
    アニメ/マンガ, 声優

    声優とAIの共存を模索 81プロデュースとイレブンラボが業務提携、オリジナルの声…

  • Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

  • トピックス

    1. 「LINEグループ作成」を要求する詐欺メールに注意 海外のサイバー監視が日本向け攻撃を警告

      「LINEグループ作成」を要求する詐欺メールに注意 海外のサイバー監視が日本向け攻撃を警告

      海外のサイバー脅威情報を発信する「Hackmanac」が12月19日、日本国内の複数の組織を標的とし…
    2. 電話対応の様子(NORAD Tracks Santa Newsroom)

      NORAD、サンタ追跡作戦に万全の体制 即時追跡方針を強調

      米国防総省は、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)による重要ミッション「サンタ追跡作戦」を、2025…
    3. Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Googleは12月16日、個人情報がダークウェブ上に流出していないかを確認できる「ダークウェブ レ…

    編集部おすすめ

    1. Netflix映画『10DANCE』

      Netflix「10DANCE」、海外SNSで広がる“困惑と魅了” 「情緒が崩壊した」人も

      Netflixで12月18日に配信が始まった映画「10DANCE」が、海外SNSで大きな反響を呼んでいます。BL作品であることに戸惑いながら…
    2. 「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      アクセサリーや雑貨の販売で知られる「サン宝石」は12月16日、同社が展開するカプセルトイ「中二病が疼くリング」について、公式サイトおよびSN…
    3. 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      国土交通省と気象庁は12月16日、雨や洪水などの危険を伝える「防災気象情報」について、2026年(令和8年)の大雨シーズンから新たな運用を始…
    4. コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      夏コミ名物、会場の熱気と参加者の汗が昇華して天井付近に発生するという伝説の現象「コミケ雲」。まさかそれを口にできる日が来るとは、誰が想像した…
    5. Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      情報処理推進機構(IPA)は12月10日、多くのウェブサービスで使われている開発技術に重大な問題が見つかり、国内でも悪用したとみられる攻撃が…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト