人生は「してみる」か「諦める」か?その連続だ。
こんな言葉を投げかけたマンガがTwitterに投稿されています。描いたのは、漫画家として活動しているきよまろ@4コマ漫画さん(以下、きよまろさん)。漫画家であり、2児の母であり、ダンサーであり、コスプレイヤーであり、妻であり……。と、多忙だけれどもいつも何かに向かって挑戦しつづけている人物です。
マンガは「私は何でも自分でしてみる人間だ やってみないとものの価値観って分からないじゃん」という言葉から始まり、車のタイヤの空気を自分で充填することを例にして紹介されています。
するのかしないのか…ただそれだけの事 pic.twitter.com/buW4N9P0pF
— きよまろ@4コマ漫画時々短編 (@sobomiyako98) January 19, 2020
先日、お母さんを乗せた車でたまたまガソリンスタンドに入ることがあったそうです。ガソリンのついでに空気圧の調整をとも思い、自ら入れようとしました。するとお母さんから出た言葉が「そんなのよく出来るわね。ディーラーかGS(ガソリンスタンド)の仕事でしょ?」。
車の空気圧は確かに自分で点検・調整しなくても、ガソリンスタンドやカーショップに行った時でも、ついでに頼めばやってくれることがほとんど。セルフのガソリンスタンドでも頼めばやってくれるケースがあります。店によっては料金がかかることもありますが、そこまで高額というわけではありません。普通に生きていく上で「してみるか」「諦めるか」という2択になった場合は、後者を選ぶ人が多いでしょう。
しかしきよまろさんは、自分で行います。車のドアにはその車に指定されたタイヤ空気圧が書かれており、セルフのお店では空気圧の機械に使い方の手順が貼られています。つまりやろうと思えばできること。
「結局、出来るとか出来ないとか決めているのは自分自身」と語る、マンガのなかのきよまろさん。「人生は「してみる」か「諦める」か?その連続だ。縛っているのは…自分自身かもしれない」という言葉でこの作品は結ばれています。
誰かがやってくれる環境にいる場合には、しない選択肢の方がもちろん楽です。しかし、することで得た知識や経験(失敗したことも含めて)のおかげで視野が広がることがあります。
例えば今回のタイヤ空気圧でいうと、空気圧を自分で調整することで空気圧を意識するようになる→タイヤの状態も気にするようになる。
タイヤの空気圧は普段気にしない人が多い車のメンテナンス項目(道路運送車両法第四十七条の二に規定された使用前の日常点検15項目)の一つですが、きちんと自ら管理することで、タイヤの状態を把握することにもつながり、タイヤの劣化に気づきやすくなる。さらにはそれがパンクや故障を回避することにつながり、自分や誰かの命を守ることにもつながっていく。
きよまろさんと同じく、私も(筆者)空気圧は自分で調整する派です。昔は完全人任せ、お店任せの時代もあったのですが、走行中にパンクする事態に見舞われ、そこから意識がガラリと変わりました。
特に車は、命に多大な影響を及ぼすことがあります。知らないでいるより、知って視野を広げておいた方が絶対に得だと感じたからです。自分や他人の身を守る意味でも。それに最近ではセルフの店が主流で、自分で入れられるようになった方が楽だったから。というのも理由の一つ。いちいち人を呼びに行くのは面倒ですしね。
今回の作品にこめたメッセージについて、きよまろさんは筆者にこんなことを話してくれました。
「今回車の話で描きましたが車に限らず、何事にも私達は先入観とか固定観念に縛られて自分の可能性を狭めてしまっている様な気がします」
「女だから…とか、歳だから…とか、周りでしている人がいないから…知らないから…そういった殻をちょっと破ってみると意外と楽しかったり、自分を誇れてみたり、別の機会に役に立ったりするのではないかと思うのです」
「また、その手間を知れば、誰かに委ねた時に適切な対価を気持ち良く支払える様な気がします。ほんの少し、挑戦しようとする気持ちが漫画を読んだ誰かに芽生えたらこんなに嬉しい事はありません」
どんなことでも「してみる」という選択。してみることで、直接得る知識のほかにも、きよまろさんが言うように、人の労力に対する「適切な対価」を知ることまで視野を広げることができるでしょう。一事が万事、これにつきるのではないでしょうか。
<記事化協力>
きよまろ@4コマ漫画さん(@sobomiyako98)
(宮崎美和子)