おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

映画「バイバイ、ヴァンプ!」が説明「同性愛を差別する作品ではありません」

 映画「バイバイ、ヴァンプ!」の製作委員会が、公式サイトおよび公式ツイッターに2月16日、「バイバイ、ヴァンプ!に関しまして」という文章を掲載。作品内での「同性愛」のふれ方について意図を説明。あわせて「一部の方に誤解や混乱を招いた事をお詫び申し上げます」と謝罪した。

 本作は、2020年2月14日に公開されたばかりの作品で、エンターテインメント集団「祭nine.」のリーダー寺坂頼我さん主演の青春ホラー映画。

  •  物語は日本の茨城県にある私立野薔薇高校が舞台。映画公式サイトの説明文を引用すると次のような作品と紹介されている。

     「ある日のこと、京平の小学校からの親友である吾郎が何やら怪しい人影に襲われてから状況は一変する。翌日、女好きの吾郎が、突然女装したゲイとなってしまい、クラス中で大騒ぎになってしまう。巷では「この町にヴァンパイアが出現している」と噂されている中、京平たちは、吾郎を噛んだのがヴァンパイアで、ヴァンパイアに噛まれると同性愛になってしまうのではないか?と考え始める」
    (映画「バイバイ、ヴァンプ!」Introductionより引用)

     本作の設定や予告動画(記事執筆時、公式掲載のものは非公開)は2019年12月には発表されていたが、映画公開をうけてこれらが特に注目されることとなり、ネット上では「ヴァンパイアに噛まれると同性愛になってしまう」といった部分に不安を覚える人が多く、「同性愛者に対する誤解を与える」「差別を助長しかねない」といった声が散見される。

     こうした状況の中、2019「​バイバイ、ヴァンプ!」製作委員会名義のお知らせが、公式ツイッターと公式サイト上で2月16日に公開された。

     「この映画には一部、同性愛の方々に対し不快な思いを抱かせる表現が含まれているかもしれませんが、同性愛を差別する作品ではありません。
    愛とは自由であり、人それぞれの愛が尊重されるものであるというテーマのもと、製作されました。
    それは綺麗事だけではなく、愛を貫くためには乗り越えなくてはいけない壁もあります。
    しかし、それを乗り越えた時に人はもっと強くなり、そして自分らしく、異性も同性も隔てることのない「人としての愛」を見つけることが出来ると信じています。
    この作品は、そのテーマをエンターテインメントな作風で描いているため、一部の方に誤解や混乱を招いた事をお詫び申し上げます。何どぞご理解頂けますことをお願い申し上げます」
    (映画「バイバイ、ヴァンプ!」公式サイトより原文ママ引用)

     発表では「同性愛を差別する作品ではありません」と、差別する意図はないことを明言。そして「一部の方に誤解や混乱を招いた事をお詫び申し上げます」と謝罪の言葉が綴られている。

     しかし、これでもストーリーや予告動画(メディア掲載されたものがYouTubeで公開中)、本編を見た人からは不満の声がやむことはなく、「バイバイ、ヴァンプ!に関しまして」と投稿したツイートには「苦しい弁明」といった趣旨のコメントが多数よせられている。

     また、インターネット署名サイト「Change.org」には、「#nolgbtqphobia 同性愛蔑視表現を含む「バイバイ、ヴァンプ」の公開停止を求めます」というキャンペーンが立ち上げられ、公開中止ではなく公開停止と「再編集等をし同性愛嫌悪を含まない形での上映など」が提案されている。

    <参考・引用>
    映画「バイバイ、ヴァンプ!」公式サイト
    映画「バイバイ、ヴァンプ!」【公式】(@byebyevamp)
    Change.org「#nolgbtqphobia 同性愛蔑視表現を含む「バイバイ、ヴァンプ」の公開停止を求めます
    ※画像は映画「バイバイ、ヴァンプ!」公式ツイッターのスクリーンショットです。
    ※追記:Change.orgに立ち上げられた署名活動について追記しました(更新:2020年2月17日13時51分)

    (栗田まり子)

    あわせて読みたい関連記事
  • 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言
    社会, 経済

    時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

  • Discordの発表
    インターネット, 社会・物議

    「Discord」で外部委託先に不正アクセス 一部ユーザーの個人情報が影響か

  • NHK、新サービス「NHK ONE」登録不具合で謝罪 移行初日にユーザー不満相次ぐ
    インターネット, 社会・物議

    NHK、新サービス「NHK ONE」登録不具合で謝罪 移行初日にユーザー不満相次…

  • pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策
    インターネット, 社会・物議

    pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

  • チョコレートプラネットが炎上発言を謝罪 2人揃って頭を丸める
    エンタメ, 芸能人

    チョコレートプラネットが炎上発言を謝罪 2人揃って頭を丸める

  • 「The SURIMI」
    商品・物販, 経済

    紀文の新商品「The SURIMI」が自主回収へ 腐敗臭の発生で健康被害の恐れ

  • プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

  • 当時、イベント関係企業のSNSに投稿された告知画像
    社会, 経済

    “マジックミラー号”展示などで波紋 中野駅前大盆踊り大会が謝罪声明

  • 江頭2:50、トルコでのポテトチップス企画を謝罪 宗教的配慮欠如を反省
    インターネット, 社会・物議

    江頭2:50、トルコでのポテトチップス企画を謝罪 宗教的配慮欠如を反省

  • ミツカン公式X、冷やし中華投稿で謝罪 表現巡り賛否
    企業・サービス, 経済

    ミツカン公式X、冷やし中華投稿で謝罪 表現巡り賛否

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能にする試験導入を発表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能に…

  • 南インド伝統のチキンカレー「ケララチキンカレー」
    商品・物販, 経済

    松のやが南インド伝統の味を再現 「ケララチキンカレー」新発売

  • 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)
    商品・物販, 経済

    ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」…

  • キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化
    商品・物販, 経済

    キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

  • 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言
    社会, 経済

    時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

  • ゴロっとチキンのカレーナポ
    商品・物販, 経済

    パンチョ初の人気投票1位「カレーナポ」が進化 期間限定で復刻登場

  • トピックス

    1. 藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      プロの声楽家として活動する傍ら、1時間1000円から自分の時間を「レンタル」している男性。キャリア豊…
    2. ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた

      ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた

      ドムドムハンバーガーは10月14日に、カニを丸ごと挟んだ「丸ごと!!カニバーガー」を販売開始しました…
    3. 丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が10月6日から、人気ラーメン漫画「ラーメン大好き小泉さん」とコラボした「らーめん缶」を、東…

    編集部おすすめ

    1. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    2. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    3. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    4. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    5. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト