おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

漫画原作ドラマ「本気のしるし」再編集版が劇場公開 しかもカンヌ映画祭に選出

 星里もちるさんの漫画を原作にした、2019年メ~テレ他放送の実写ドラマ「本気のしるし」。その再編集版が「本気のしるし≪劇場版≫」として10月9日からシネ・リーブル池袋ほか全国で順次公開されることが決定しました。

 さらに、第73回カンヌ国際映画祭の「Official Selection 2020」作品に選ばれたことも発表。漫画原作かつ、ドラマの再編集版がカンヌに選出されるのは異例の出来事だといいます。

  •  ドラマ「本気のしるし」は、「淵に立つ」「よこがお」の深田晃司監督が初めて漫画原作の映像化に挑んだ作品。2019年にメ~テレなどのローカル局で放送され、話題になりました。

     深田晃司監督は、「淵に立つ」で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で準グランプリに相当する審査員賞を受賞していますが、新型コロナウイルスの感染拡大により多くのミニシアターが閉館の危機に晒されている中、「ミニシアター・エイド基金」を濱口竜介監督とともに立ち上げ、最終的な支援額は3億3000万円にのぼりました。このように社会活動も積極的に行いながら、若手監督として日本映画界に貢献しています。

     主演にはS・スピルバーグ監督「レディ・プレイヤー1」でハリウッド・デビューを飾り、映画「蜜蜂と遠雷」では第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した注目の若手俳優・森崎ウィンさん。

     ヒロイン役には「3年A組-今から皆さんは、人質です-」や「連続テレビ小説 べっぴんさん」での活躍が目覚ましい土村芳さん。そして宇野祥平さんや石橋けいさん、福永朱梨さんや忍成修吾さん、北村有起哉さんといった、くせ者揃いのキャスティングで脇を固めています。

     2020年のカンヌ国際映画祭は、実イベントの開催中止が決定していましたが、例年通りの審査基準を保ちながらも、昨今の情勢に合わせて新設された「Official Selection 2020(オフィシャルセレクション 2020)」としてラインナップ作品を選出すると報じられていました。

     選出された作品は「the Cannes 2020(カンヌ 2020)」のラベル付きで、連携する各国映画祭での上映が計画されています。この詳細は6月3日(日本時間では6月4日の午前1時)に、カンヌ国際映画祭で発表されます。

     漫画原作ものであり、さらに地方局のテレビドラマを再編集した映画であるという点で、異色の選出となる「本気のしるし」。これは深田晃司監督のテレビドラマの枠から逸脱する演出力の高さを、「カンヌ国際映画祭が認めた」と言えるのではないでしょうか。さらに、すでに海外の映画祭からも問い合わせが入っているとのことです。

     主演の森崎さんは「ドラマとしてスタートしたこの作品が劇場版として、こんな歴史ある映画祭に選ばれたことを誇りに思います。純粋に嬉しいです!ありがとうございます。これをモチベーションに日々精進して参ります」とコメント。

     一方、ヒロイン役の土村さんは「この作品に携わった全ての人の思いがカンヌへ届いた事、素晴らしいチームに、浮世に出会えた事、感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、「沢山の人達がこの物語と出会ってくれますように……!」と願っていました。

     そして、深田監督は「ただただ驚いています」と率直な心境を吐露。「共感度0.1%と銘打たれた4時間に及ぶ物語の0.1%がフランスまで届いたのは、俳優・スタッフの尽力、まさに『本気のしるし』に他なりません」と語り、「これを機に辻くんと浮世さんのグズグズな恋愛が世界中で愛されることを願っています。星里先生、やりました!」と喜んでいました。

    【更新】公開劇場変更の発表にともない、初出時の「UPLINK渋谷、吉祥寺、京都を中心に」という記載から、「シネ・リーブル池袋ほか全国で」に変更いたしました。(2020年7月11日13時03分更新)

    (c)星里もちる・小学館/メ~テレ
    情報提供:ラビットハウス

    (佐藤圭亮)

    あわせて読みたい関連記事
  • 実写映画「夜勤事件」、特報映像とキャスト情報が解禁 2026年2月20日公開へ
    ゲーム, ニュース・話題

    実写映画「夜勤事件」、特報映像とキャスト情報が解禁 2026年2月20日公開へ

  • 映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に
    インターネット, おもしろ

    映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に

  • 短編ホラーゲーム「夜勤事件」、実写映画化決定 2026年全国公開へ
    エンタメ, 映画

    短編ホラーゲーム「夜勤事件」、実写映画化決定 2026年全国公開へ

  • 「M3GAN/ミーガン 2.0」公式サイトは日本公開中止の告知のみの画面に
    エンタメ, 映画

    映画「M3GAN/ミーガン 2.0」日本劇場公開が突如中止 理由は不明

  • 支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ
    インターネット, 社会・物議

    支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ

  • 車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス
    インターネット, おもしろ

    車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス

  • 山下智久主演「正直不動産」映画化決定!2026年公開へ
    エンタメ, 映画

    山下智久主演「正直不動産」映画化決定!2026年公開へ

  • 名刺入れの中には半券などがビッシリ
    インターネット, おもしろ

    映画の紙チケットや半券は名刺入れに!映画好きが保管方法を紹介

  • 東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイキング映像公開
    エンタメ, 映画

    東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイ…

  • 香川照之ドラマ復帰にファン「おかえりなさい」 WOWOW「災」で6役の難題に挑戦
    TV・ドラマ, エンタメ

    香川照之ドラマ復帰にファン「おかえりなさい」 WOWOW「災」で6役の難題に挑戦…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

  • 松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み
    エンタメ, 芸能人

    松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み…

  • 悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

  • 11月17日からの平日限定で、「かっぱの挑戦 感謝祭」をスタート
    イベント・キャンペーン, 経済

    かっぱ寿司、おにぎりとかけうどんが平日限定で各82円に 「かっぱの挑戦 感謝祭」…

  • 「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる
    エンタメ, 映画

    「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる

  • ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

  • トピックス

    1. 汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      屋内と屋外で寒暖差が大きく、着る服に悩みがちなこの季節、SNS上で「エアリズムの上にヒートテックを着…
    2. 「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      2025年11月12日午前7時に配信された「State of Play 日本」にて、「ドラゴンクエス…
    3. アカウント1の投稿

      【前編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ある日の調査作業の過程で、SNS「X」上において、急成長中の越境EC大手「Temu」のサポート担当を…

    編集部おすすめ

    1. 「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

      「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

      小学館「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「シテの花 -能楽師・葉賀琥太朗の咲き方-」の作者・壱原ちぐささんが11月18日18時、新たな投稿を…
    2. 松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み

      松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み

      俳優の松山ケンイチさんが11月17日、自身のXアカウント「松山ケンイチ(@K_Matsuyama2023)」でユーモア企画「誰も傷つけない悪…
    3. 悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

      悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

      小学館「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「シテの花 -能楽師・葉賀琥太朗の咲き方-」の作者・壱原ちぐささんが11月17日、作品の掲載順に関す…
    4. 今年もやってきた“本番環境の事故録” Qiitaの「やらかしアドベントカレンダー2025」開幕

      本番環境などでの失敗談が集結 Qiitaの「やらかしアドベントカレンダー2025」開幕

      稼働中のサーバーでの作業ミスによるトラブルの顛末をつづる「本番環境などでやらかしちゃった人 Advent Calendar 2025」が12…
    5. 床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      頭をぐりぐり動かしながら、床の上を滑っていく1匹のワンちゃん。飼い主さんが「モップ機能つき生ルンバ」と呼ぶビションフリーゼ・せとくんの動画が…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト