まだまだ続く新型コロナウイルス禍。2020年7月22日から始まった「Go To トラベル」キャンペーンでも、感染拡大を防ぐために密閉空間・密集場所・密接場面の「3密」を避ける必要があります。1円切手の前島「密」を並べ、3密を避けようと注意喚起する暑中見舞いが注目を集めています。
新型コロナウイルスにおいて、換気されない密閉空間、多くの人が密集する場所、他者と手を伸ばせば届く距離で密接になる場面の「3密」が重なる場所は、感染リスクが非常に高い環境。厚生労働省も特に避けるべきだとしています。
人の移動について自粛を求める要請が徐々に緩和され、人々の外出自粛によって経営に致命的な打撃を受けた交通・旅行・宿泊関連の業種を応援するための「Go To トラベル」キャンペーンも始まりました。しかし、3密を避けるのはこれまでと同様です。
そこへ届いた暑中見舞いに込められた粋なメッセージを「めっちゃ笑った。暑中見舞いありがとうございます」と、画像とともにTwitterに投稿したのは、会社員で2児の母という、ゆこさん。早押しクイズが趣味だそうです。
遠方に住む早押しクイズ仲間から送られてきた、という暑中見舞いのはがき。災厄の訪れを予言するとして注目を集めた妖怪「アマビエ」のイラストが描かれた絵はがきだったそうですが、さらに貼付された切手にもメッセージが込められていました。
現在、はがき(第二種郵便物)の料金は63円。はがきには60円切手とともに3枚の1円切手が貼付されていたのですが、1円切手に描かれているのは「郵便の父」として知られる前島密(まえじま・ひそか)。
前島「密」の肖像切手が3枚並んだその下に「3密は避けましょう」のメッセージ。1円切手の肖像は誰か、というのは早押しクイズでポピュラーな問題だそうで、すぐに意図に気づいたゆこさんは笑ってしまったとのこと。
早押しクイズ仲間からのメッセージに「暗いニュースが多い中、コロナ禍を逆手にとった思わずクスッと笑える暑中見舞いをくれた事、私がこのジョークの意図を理解できると思って出してくれた事が嬉しかったです」と、取材に答えてくれたゆこさん。寄せられたリプライや反応を見て、1円切手の前島密が「意外と知らない人が多いんだと驚きました」という感想も語ってくれました。
ちなみに1円切手の前島密は、現在20種ある普通切手(発行数が限られる特殊切手などでないもの)で唯一の肖像切手。前島密の肖像は1946年発売の15銭切手に始まり、1947年に発売された1円切手に採用されて以降は、細かいデザイン変更はあるものの、70年以上も一貫して使われています。
消費税率の変更など、1円単位の端数が出る郵便料金の調整で役立つ、前島密の1円切手。新型コロナウイルス禍でも、名前ゆえに注目されるとは、当の前島密も想像しなかったに違いありません。
https://twitter.com/450930kai/status/1285236504843874306
<記事化協力>
ゆこさん(@450930kai)
(咲村珠樹)