エド・カーペンター・レーシングは2020年8月7日(現地時間)、この日朝に放送されたFOXテレビの番組でアメリカ宇宙軍のジョン・W・レイモンド作戦部長が明らかにした通り、宇宙軍がエド・カーペンター選手の乗る20号車のスポンサーとして、8月23日決勝のインディ500に参戦すると発表しました。

 エド・カーペンター選手は、現在のインディカー・シリーズを運営するIndyCarの前身、IRLの創設者であるトニー・ジョージ氏の継子。インディカー・シリーズには2003年から参戦しており、インディ500では2013年、2014年、2018年の3度にわたりポールポジションを獲得しています。

 2020年シーズンの開幕当初、エド・カーペンター選手とコナー・デイリー選手がシェアする20号車は、アメリカ空軍がスポンサーとして参加していました。日本の横田基地に司令部を置く第5空軍にインスパイアされたというカラーリングは、サイドポンツーン手前にシャークマウスを大胆に描いたもの。

 アメリカ空軍仕様の20号車は、シーズン開幕戦のテキサスから第5戦・第6戦のアイオワ(アイオワとロードアメリカでは2戦ずつ実施)までを戦いました。ドライバーは開幕戦のテキサスと第5戦・第6戦のアイオワでカーペンター選手、インディアナポリスのGMRグランプリとロードアメリカにデイリー選手が参戦しています。

 アメリカ空軍と宇宙軍の募集部門で、国内イベントマーケティング課長を務めるジェイソン・ワイチェ少佐は「アメリカ宇宙軍におけるインディ500への関与は、STEM(化学・技術・工学・数学教育)やチームワーク、スピードに競争といった分野を中心にしたものです。加えて、このパートナーシップにより、宇宙軍はレースや、レースに至るまでの広範囲における放送の視聴やメディアの報道を通じ、多くの志望者や影響力のある人々(インフルエンサー)にアプローチすることができます」と、インディ500を通じての募集広報効果に期待を寄せています。

 インディ500では、エド・カーペンター選手が20号車をドライブすることになっていますが、もう1人の20号車ドライバーであるコナー・デイリー選手も、アメリカ空軍がスポンサーとなった47号車で参戦が決定。オレンジ基調のカラーリングは、世界で初めて水平飛行による超音速飛行に成功したベルX-1をモチーフにしたものです。

 エド・カーペンター・レーシングは、カーペンター選手の20号車とデイリー選手の47号車、そしてリヌス・ヴェーケイ選手がドライブする21号車の3台体制でインディ500に参戦することに。8月23日の決勝では、アメリカ宇宙軍仕様の20号車と、アメリカ空軍仕様の47号車の動きに注目です。

<出典・引用>
エド・カーペンター・レーシング プレスリリース
Image:Ed Carpenter Racing

(咲村珠樹)