最近のペットは新しい品種の交配が進み、可愛くて見慣れない名前の猫がペットショップにいる事があります。しかし、ペットショップで買うのはもちろん、それ以外にも結構な金額を必要とするのがペットを飼うという事。「安易な気持ちで買わないで」という漫画がツイッターで話題になりました。

 「お金と心に余裕がない人はペットを飼わないで欲しい」そんな一文とともに、あるネットユーザーがツイッターに投稿した漫画が大きな反響を呼んでいます。その内容とは……。

 コロナ禍でペットを飼うもすぐに捨ててしまう人、高額なローンを組んだにもかかわらずそのローンの支払いができなくなり、買ったペットを手放すという人がいるとテレビで見た投稿者さん。

 投稿者さんは猫を飼っており、「ペットを飼うことは家族が増えるという事」「当然、毎日お金がかかるし大変な事もたくさんあります」とその内情を明かしています。

 2匹の保護猫と7年間暮らしている投稿者さんは、「ごはん、おやつ、トイレ砂やシート、水のフィルター、おもちゃ等で月1~2万ほどかかっている」と言います。

 そこに各個体の健康管理費として、「年に1回のワクチンや突然の体調不良の診察代や薬代、事故や何かしらの手術で突然何十万とかかる場合もあります」と、事故でけがをした猫を助けた友人は、治療費に40万ほどかけた実例も挙げています。

 ワクチンや去勢・避妊手術も含めて、ペットにかかる医療費は全額自己負担。自治体によって去勢・避妊手術の費用助成があるところもありますが、それでも動物病院は人間とは違って保険制度がなく、料金体系は各病院で違ってきます。その費用、1万~3万円くらいの自己負担は免れません。

 そして飼うにあたって、必要な物を揃えるのにもお金がかかります。トイレやケージ、キャットタワーやキャリーバッグから、ペット用の爪切りや爪とぎなど、こまごまとした物を買いそろえる必要も。

 猫は個体によって、よく吐く子とそうでもない子、柱や壁を好んで爪とぎをする子、少しでもトイレが汚れていると他の場所でわざと粗相をするなど、性格も特性も人間同様に違っており、その分の手間もかかります。どんな粗相をされても許容できなければ、ペットを飼う事はできません。

 投稿者さん宅では扉付きの家具を買い、その中に大切なものを保管するなどして対応していたそうです。筆者もペット可の賃貸住宅に住んでいますが、高い場所からふすまに向かって吐かれた時にはさすがに愕然としてしまいました……。

 よく走る、活発な猫ちゃんだと電源コードなどに足を引っかけてしまう事もありがち。投稿者さんはPCのコードを引っかけられて電源が強制終了状態に、もちろん書きかけのデータも全部吹っ飛んだ事でコンセントカバーやコードカバーで引っ掛かりのないように工夫し、危険のないようにしているそう。

 犬だと一緒に連れて旅行もありですが、猫にとって旅行は環境の変化を嫌う性質があるゆえストレスになってしまいます。そのため、留守番をさせるにしてもせいぜい1~2泊程度、それ以上となるとペットシッターをつけるかペットホテルを利用するなどでお金が必要になってきます。

 筆者も常に猫毛にまみれている状態ですが、どんなに気を付けていても猫の毛は抜けていきます。特に、春と秋の換毛期には盛大に毛が抜け替わるので、こまめなブラッシングで抜けていく毛を取ってやる必要があります。猫毛は人間の髪の毛よりも軽くて衣類にくっつきやすいので、粘着クリーナーなどでコロコロしても、全部取り切れない事も多々あります。

 これらの金額と手間、両方に対応するにはお金にも精神的にも余裕が必要です。ペットを飼うという事は自分よりも弱い命を手にする事。いかなる理由があっても、自分よりも弱い生き物に危害を加えるなんて行為は決してすべきではありません。ペットの一生は飼い主に全てかかってくるのです。

 筆者は2匹の猫を飼っていますが、我が子と一緒に育ってきた子ども同然の存在だと思っています。旅行や帰省をがまんしたり、引っ越しの時はペット可という条件つきが理由で高い敷金を払うこともありますが、それでも猫を飼って後悔はしていません。

 ペットとは言え、家族の一員、人生の一部なんです。たとえどれだけ猫ゲロに悩まされても、粗相対策に明け暮れることになっても、うんこがトンデモなく臭くても、夜中に覚醒してハッスルしだしても。

 筆者個人的には、いざという時のペット保険には入っておいた方が安心できると思います。投稿者さんは、「お金があっても動物にはケチる人もいるし、あんまりお金に余裕なくても自分は質素に生活して動物に注ぎ込む人もいるし、色んな場合がある……。とりあえず一番大切なのは動物のこと考えて一生大切に健康に幸せに飼い主含め暮らせることやね……」と、漫画に続くツイートで語っています。

 「豊かな人生」は人によって定義が違ってくると思います。もしペットをこれから飼いたい、と思う人は、そのペットとの生活を想像してみてください。スッとイメージがわいてお金の振りどころもペットに掛けられるか、そうでないかで、ペットを飼う頃合いかどうかが分かるのではないでしょうか。

<記事化協力>
匿名ネットユーザーさん

(梓川みいな)