煙の出ない加熱式たばこIQOSを展開するフィリップ モリス ジャパンが、オンラインで「2021年戦略発表会」を1月19日に開催。「もっと『身近な』IQOSへ」をキーワードに、各種デバイス、キットの価格を従来より安い価格に改定するほか、デバイスやたばこスティックの新製品、加熱式たばこを楽しめる環境整備などについての展望が語られました。
1月25日より、IQOS 3 DUOキットの税込価格は9980円から6980円(ホルダー単体は4480円から2980円)に。IQOS 3 MULTIキットは6980円から4980円に、IQOS 3キットは8980円から5980円(ホルダー単体は2980円から1980円)、IQOS 2.4 PLUSキットは4980円から2990円(ホルダー単体価格は据え置き)と価格改定されます。
フィリップ モリスはこれまで煙の出ない加熱式たばこのパイオニアとして、5年以上かけて煙の出ない製品の生産能力を拡大してきました。フィリップ モリス ジャパンのマーケティング&コミュニケーションズ・ディレクターのフィリップ・ルベル氏によると、2020年9月の時点で全世界のIQOSユーザーは1600万人、うち日本では600万人と推計されるとのことです。
また、ルベル氏は「フィリップ モリスは成人喫煙者に対して従来の紙巻きたばこから加熱式たばこへと移行してもらい、将来的に紙巻きたばこビジネスから完全撤退することを宣言した唯一の会社」だと強調。2020年7月にアメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)より「曝露低減たばこ製品」として販売許可(2020年12月にIQOS 3のアメリカ販売も許可)を得られたことにも言及し、成人喫煙者のリスクを低減しつつ、煙のない環境を提供していく方針を改めて語っています。
2020年4月の改正健康増進法全面施行も受け、フィリップ モリス ジャパンでは2020年までに、千葉市のZOZOマリンスタジアムや有馬温泉、世界遺産の白川郷など11か所のランドマークに地元の協力のもと、加熱式たばこ専用の喫煙所を設置。また東京の田町駅や大崎駅など6件の屋外・屋内喫煙所を設置したほか、ドトールやビッグエコーといった企業と協力し、飲食をともなう商業施設1800件に加熱式たばこ専用喫煙室を設けるという、煙のない喫煙環境を整備してきたといいます。
ルベル氏は2021年の活動について「もっと『身近な』IQOSへ」というキーワードのもと、もっと成人喫煙者が紙巻きたばこから加熱式たばこへと移行しやすい環境づくりを心がけていくと発言。その中で「喫煙環境」「価格」「デバイス」「味わい」という4つの視点でアクションを起こしていくと語りました。
詳しい施策についての説明に登壇したのは、フィリップ モリス ジャパンでポートフォリオ・マネージャーを務める村上彰啓氏。様々な場面での喫煙環境を整備していくのはもちろんのこと、まずは加熱式たばこへ移行する動機付けの1つとして、デバイスの価格改定を発表しました。
加熱式たばこへの移行で気になるのが、紙巻きたばこより高い喫煙具(デバイス、キット)の価格ですから、この価格改定は移行のハードルを低くするものとなりそうです。また、2020年の終わりにIQOSストア、IQOSショップ、IQOSコーナーで先行発売されていたIQOS 3 DUOの新色、フロステッドレッドも2021年1月25日よりコンビニエンスストアを含む全国の主要たばこ取扱店で販売開始となります。
IQOSはキットの種類のほか、カラーバリエーションやカスタマイズパーツにより、自分だけの所有欲をくすぐられるのも特徴です。販売終了となったものも含め、デバイスは累計で6種。カラーバリエーションは38種、アクセサリーは192種にも及びます。その日の気分に応じてパーツを交換し、カラーコーディネートを楽しむユーザーも少なくありません。
IQOS専用のたばこスティックも、マールボロ、IQOS専用のHEETS(ヒーツ)で合計21銘柄と充実してきています。1月に発売されたレギュラー系新銘柄「ヒーツ・ピュア・ティーク」に加え、2021年にはさらに製品ラインナップを拡充していくとのこと。
詳しい情報はまだ明らかにできない、とのことですが、村上氏によると2月と3月に、それぞれデバイスとたばこスティック(ヒートスティック)の新製品を投入するとのアナウンスがありました。今から登場が待ち遠しいですね。
今後とも加熱式たばこIQOSへの移行を成人喫煙者に促し、フィリップ モリスが掲げる「煙のない社会」実現に向け、様々な施策を用意しているという今回の2021年戦略発表会。明らかになったのはまだまだ一部なので、この後の展開にも期待を抱かせるものとなりました。
取材協力:フィリップ モリス ジャパン合同会社
(取材:咲村珠樹)