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呼び方ひとつで変わる地図の顔 「近畿地方の地域別人口マップ」が反響

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 Twitterユーザーの紀つねさんは、小学生の頃からの地理好きが高じて、自身の故郷である紀伊半島や現在住んでいる中部地方を中心に、オリジナル地図を作っている人物。

 作成した地図は、2020年に開設したTwitterアカウントにて都度紹介されていますが、先日投稿した近畿地方のオリジナル地図が反響を呼んでいます。

  •  「近畿地方できました!(地域別人口)播磨は1つの県に匹敵する規模がある」というつぶやきとともに、自作の地図を公開した紀つねさん。そこには、「紀伊半島と若狭湾の連続性を考慮して」と、福井県嶺南地方と三重県を加えた近畿地方の地図。

     一見するとなんてことないものですが、よくよく見ると大阪府は「摂津」「河内」「和泉」、和歌山県にいたっては、「紀北」「紀中」「紀南」という表記。さらに、面積と人口らしき数値も記されています。実はこれ、それぞれの府県を地域で区分けしたもの。

     福井県南部にあたる「嶺南(れいなん)」地域は、江戸時代に旧小浜藩だったところで、「北国街道」とも呼ばれた北陸道の難所、木ノ芽峠(木嶺)の南側に位置することが名前の由来。今回の地図では範囲外となりますが、福井市などがある地域は「嶺北」となります。

     滋賀県の場合は真ん中にある琵琶湖を基準に、東西南北のどこに当たるかが地域名となっています。やっぱり滋賀県民にとって琵琶湖は大きな存在なんですねえ。関西と北陸方面を結ぶ特急が走っているJR湖西線は、その名の通り琵琶湖の西にある湖西地域を通る、北陸本線のバイパス路線として建設されました。

     「以前、『静岡県は西部・中部・東部で別物』というツイートを目にして、そこから中部地方の地域別人口マップを作ってみたら好評だったんです」と経緯を語る紀つねさん。そんな流れの中で、今回は「近畿版」を作成しました。なお、区分けについてですが、「あまりに細かいと見づらいので、2~5程度に分かれているものを採用しています」とのこと。

     余談ですが、筆者は兵庫県出身で生まれ育ちは播磨地域。紀つねさんの、「播磨は1つの県に匹敵する規模」というつぶやきには思わず納得。配色も相まって、いやはや随分と目立っておりますなあ。

     一方で、兵庫以外の各地域の名称や規模感については、今回紀つねさんが作成した地図によって知ることが出来ました。ちなみにこの点については、多くのTwitterユーザーがリプライ(返信)欄にて同様に反応されています。

     先述した通り、今回、紀つねさんが採用した呼称は、あくまで「言い方の一例」です。しかしながら、普段何気なく見る地図も、見方を変えればまた違った顔を見せたのも確か。地理の勉強にも活用できるかもしれませんね。

     なお、紀つねさんは、全国規模でも「地域別人口マップ」を作成されています。こちらは、少々目を凝らしながら見る必要があるものの、同様にとても興味深い内容となっています。

    <記事化協力>
    紀つねさん(@kinokuni_fox)

    (向山純平)

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