「いろいろな機構その6」と題した、Twitterの投稿動画が2万を超えるいいねが寄せられる反響となっています。
投稿者であるS.CRAFTさんが制作したそれは、形の異なる「歯車」が、様々な「機構」で規則的に動いている様子。シンプルなものもあれば、複雑にいくつもの歯車がかみあうものもあり……。見ているうちに、何度も見返したくなる不思議さを持っています。
現在はとある工業大学に通う現役大学生というS.CRAFTさん。高専からの編入組だそうで、在学中はロボコンの全国大会に出場したほど、「ものつくり大好き」な人物。
TwitterとYouTubeチャンネルにて作品を公開している中、今回投稿したのは、いわゆる「機械機構」と呼ばれる、様々な部品を運動動作させる「仕組み」。「その6」と題していることもあり、“総集編”ともいえる内容です。
40秒近い動画内では、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」に登場するスライム、桜のような花弁、円の中に散りばめられた遊星など、様々な形状をした歯車たちが、直線・回転・収縮などの運動を規則的に繰り返しています。
40万回近い再生回数を記録した本動画。機械の面白さが凝縮された内容ですが、S.CRAFTさん曰く、内部構造にもこだわりを持った作品でもあるそうです。
「実は、動画内の『機構』で使用しているモータは1つだけなんです。これを一定の速さで回転させて、複雑な動きを生むようにしています。例えば動画冒頭のスライムの歯車ですと、事前にマイコン等で、モータの回転速度を制御すれば同様のことが出来るのですが、非円形のスライムを歯車として使うことで、様々な回転速度が得られる仕組みですね」
続けてS.CRAFTさんは、「もう少し分かりやすくお伝えすると……」と、投稿動画で紹介した機構のひとつを、別の動画「横移動させる機構」で紹介してくれました。
動画にあるのは2つの黒い歯車。左の歯車は青い部品を左右に動かし、右の歯車は青い部品を上下に動かしています。こうした部品同士の組み合わせにより、動画のような動作が可能になっています。
「縦移動と横移動に2つモータを使えば簡単に同じ動きが出来ますが、この機構は1つのモータで動かしています。こういった、複数のモータ・複雑な制御なしで複雑な動きをするという点がこだわりです」とのこと。
一見すると、複数モータを使っているようにも見えますが、やはりここでも「1つのモータ」がこだわりでした。1つに絞るためにからくり要素を工夫したからこそ、この“ずっと見ていたくなる”不思議な動きが生み出されたようです。
https://twitter.com/S_CRAFT_0404/status/1522805517982203904
<記事化協力>
S.CRAFTさん(Twitter:@S_CRAFT_0404/YouTube:S.CRAFT)
(向山純平)