おたくま経済新聞

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【オンラインゲーム千夜一夜】 第四回 大規模対人戦メインのオンラインゲーム……これですよね?

 珠玉のオンラインゲームを懐かしさと共に送る「オンラインゲーム千夜一夜」、ついに4回目となりました、皆様お元気でしょうか?

 オンラインゲーム全盛期、という言葉があるとすれば2000年~2012年くらいまでなのかな、と思っておりましてこの間に配信開始となりましたオンラインゲームは星の数ほどございます。

  •  その中でも筆者が実際に遊んで、楽しかったなと思えるタイトルはごまんとあるのですが、その中から毎回一つをチョイスしていくというのは実に大変なことだったりもしまして、毎回頭を悩ませている次第です。

     決してクリスマスはログインを控えるなどというチキンムーヴをかましたわけではないのです、そうなのです。

     さて、前回の最後に「対人戦のあるオンラインゲーム」と言う話を出していたのですが、当時のオンラインゲームに詳しい人なら誰もが思い浮かべる対人戦ゲームって「ファンタジーアースゼロ」(2006年サービス開始)だと思うんですよね。

     筆者も「ファンタジーアースゼロ」については結構頑張って遊んでいました。毎月数万円課金して装備を調え、エンチャントを回したり動画撮影して共有サイトにあげたりと……割と熱心に遊んでいたのですが、残念ながら本年2022年9月にその15年に及ぶ長きサービスに終止符を打つことになってしまいました。

     と言うことで別の探そーと思い立ち、個人的に大好きだった対人戦オンラインゲームというのをもう一度思い返していました。

     個人的にはライブドア運営だった「Shadowbane(シャドウベイン)」の想い出が一番鮮烈でした……真夜中に連絡が来て叩き起こされ、慌ててログインしたらせっかく建築した砦が破壊されて焼け野原になっているという実に楽しい(?)思い出もあったりもするのですが、今回は「Dark Age of Camelot(ダークエイジオブキャメロット)」を取り上げたいと思います。

     ダークエイジオブキャメロットはMythic Entertainmentが開発し運営していたMMORPGです。エレクトロニック・アーツがMythicを買収したことで現在ではエレクトロニック・アーツが開発および運営を行っています。

     物語の舞台は3つの王国(レルム)となっており、アーサー王伝説がベースのアルビオン、ケルト神話が舞台のヒベルニア、北欧神話が舞台のミッドガルド。3つのレルム同士の戦いを描いた作品で日本国内にも専用サーバーがあったことがある名作オンラインゲームです。

     レルムごとに選べる種族やクラスが決まっており、例えばアルビオンだと人間ベースになっているのですが、ヒベルニアではエルフなどが、ミッドガルドはトロールなど多種多様な外見を持つ種族を選択できます。

     このゲームの最大の特徴は、RvRという3つのレルム間で行われる大規模戦争で、最大で100人近いプレイヤーが入り乱れる対人戦を主題としたオンラインゲームの元祖とも言える作りになっています。

     このレルム間戦争ではレリックと呼ばれる国の宝を手に入れることが目的となっており、戦闘中に敵対プレイヤーを倒すとポイントがもらえ、自キャラクターを強化できるという仕組みになっています。

     ちなみに対人戦主軸ということでかなり尖った部分も存在しており、RvRエリアでは敵対レルムのプレイヤーとは会話すらできないという漢気仕様になっていまして、知らずに他国で始めたりすると友人と本気の殺し合いをしなければいけないというとても硬派なゲームでもありました。

    対人戦主軸ということでかなり尖った部分も存在

     ベースとなるゲームシステムはこれまた名作である「EverQuest(エバークエスト)」を参考にしたシステムで、日本人にも馴染みの深いレベル制となっており遊びやすさがあります。

     またRvRがメインとはいえ、このゲームの遊び方の一つにすぎず、対人戦に興味のないプレイヤーにも楽しめるようにクエストや、ダンジョンなども豊富に用意されており、レベルの低いプレイヤーが一方的に狩られないために、自国の領土内における冒険なども保証されているという実に手堅い作りとなっています。

     ダークエイジオブキャメロットは、海外ではサーバーがまだ存在しており、以前は月額制での提供が行われていましたが、現在ではフリートゥプレイタイトルとなっています。

     英語版の初サービスが2001年になりますので、実に21年もの長きにわたってサービスが続けられているオンラインゲームとなっていまして、一度はこのタイトルの名前を聞いたことがあるかもしれません。

     とはいえ日本語サーバー、日本語ローカライズが2006年に終了してからは、本タイトルを再び遊ぼうというにはかなりハードルが高くなってしまいました。

     実際にダウンロードして軽く触り直してみましたが、元々4:3の画面構成に合わせて作られているUIが現代のフルHD画面にすると、広すぎてちょっと戸惑います。

     さらに、会話方法や攻撃方法など最新のオンラインゲームに慣れ果てた筆者は操作方法一つに相当に困惑する状況に。

     ログアウトもボタン押下後静止して二〇秒間操作しないというとても懐かしい操作をすることになり、思わず涙が溢れそうになりました。

     さらにスクリーンショットを撮影しても何故か保存されないトラブルに見舞われまして、一生懸命にプレイして撮影した光景が全てどこかへと消え去っていきました……本当にどうすればいいんだ……ということで本コラムは残念ながらプレイ画像が使用できておりません。

     しかしこのゲームは2001年の作品ながら世界は全てフル3Dで構成されており、本当によく作り込まれています。

     現代のパソコンスペックでは当時では考えられないほどヌルヌルに動き、快適です……RvR中にパソコンがフリーズして真っ青になった次の瞬間、攻撃が集中してフリーズから解けると自分が死んでいるなんてシーン、もう見なくて済むんですねえ。

     RvRを参考に、様々なゲームが大規模対人戦システムを洗練させてきましたが、その元祖とも言える「ダークエイジオブキャメロット」。来年で22年目を迎える長寿タイトルがいつまで運営されるのか、本当に期待したいところです。

     さて、次回ですが今回のようにちょっと変わったオンラインゲームタイトルをチョイスしてお届けしたいと思います。ぜひご期待ください。

    <参考・引用>
    Dark Age of Camelot
    ※掲載画像は公式のゲームトレイラーを使用しております。

    【上村健太郎:筆者プロフィール】
    神奈川出身、東京在住。オンラインゲーム業界において長らくプロモーションやプロデュースなどを担当し、数多くのタイトルを立ち上げ、そして終了させてきた苦い経験の持ち主。
    私生活では妻と二匹のビーグル犬よりも地位の低い生活を満喫中。

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