中学校の修学旅行。行き先での出来事はもちろんですが、出発の日の朝に大きな荷物を持って向かう学校までの道のりでさえ、青春の1ページとして思い出に残っている人も多いのではないでしょうか?先日、娘の修学旅行説明会に参加したところ「中学生なのにVIP待遇すぎでは?」と驚くことがありました。イマドキの修学旅行ってこんなに至れり尽くせりなの!?
■ 旅行鞄は宿泊地まで別送 最終日には自宅に配送
2泊3日の修学旅行。行き先は東京方面で、国会議事堂や東京タワーの見学など、筆者の時代と変わらず懐かしんでいたのですが、配布された資料を読み進めていくと、持ち物の欄に驚きの記載を発見。
「大荷物は、旅行前日に学校へ持参し、トラックで初日の宿泊地まで別送。最終日に自宅に配送」と書いてあるではありませんか!
説明を受けたときには、思わず隣りのママ友と顔を見合わせました。筆者が中学生だった当時はそんなサービスはなかったはず。普段の旅行でも一度も旅行鞄を配送した経験のない貧乏性の筆者にとっては衝撃的でした。
■ 帰りは自宅付近まで送り届けてくれる
さらに驚いたのが、解散場所について。中学校で解散するのが当然だと思っていましたが、新幹線の駅で解散式を行った後、何台かのバスにわかれて乗車し、自宅付近まで送ってくれるとのこと。
筆者が体験した修学旅行や遠足では、帰りのバスの中で「ここで降ろしてくれれば家の前なのに~!」と嘆く子がたくさんいたものですが……。
荷物の配送に加え、自宅付近まで送り届けてくれるという好待遇。なぜこのようなVIP待遇になっているのかを聞いてみました。
■ 昨年の修学旅行も同様に実施
先生や先輩ママの話をまとめると、昨年の修学旅行も同様に実施されたとのこと。1人の先生の提案によって実現したものであり、近隣の中学校が全て実施しているわけではないことがわかりました。
娘が通学しているのは、1学年9クラスほどの規模の公立中学校。都心ではないため学区が広域にわたり、自転車通学の子も多くいます。修学旅行の日は、安全上の理由で自転車通学が禁止されているため、全員が徒歩通学となります。もし、旅行鞄を子どもが持ち運ぶとなると、徒歩や車で送迎する保護者もでてくるでしょう。
しかし、学校の駐車場は狭く、周りを囲む道路の道幅も狭いため、保護者が車で押し寄せると渋滞になることが容易に予想できますし、歩いて通学する生徒にも危険が及びます。民家に囲まれた中学校のため、近隣住民にも迷惑がかかります。
また、仕事の都合で送迎の時間を割けない保護者も多くいます。実際に小学校の修学旅行の際は、仕事を休んで迎えにきていたママがたくさんいました。子どもが中学生ともなると、正社員やフルタイムで働くママも増えるため、そのあたりの配慮もあるのかもしれません。
最初は驚いた「修学旅行のVIP待遇」ですが、生徒の安全や、保護者の負担を考慮して先生方が考えてくれたものでした。時代とともに変わりゆく修学旅行、皆さんはどんな思い出がありますか?
(一柳 ひとみ)