おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「服を買いに行く服がない」……の解決方法を元アパレル店長が真剣に考えてみる

update:

 「服を買いに行く服がない」……ネット上では時折このような、ファッション難民たちによる嘆きの声が聞こえます。

 たしかに、服を買いに行くタイミングって決まりがないですし、また今度でいいかな……と思っているうちに、着られる服がなくなっていた……というのは陥りがちなパターンかもしれません。

  •  これはきっと「服を買いに行くのだから、少しでもおしゃれに見られたい(恥ずかしい格好は出来ない)」という願望の現れでしょう。たしかにその気持ちはわかります。下手な格好をしていくと、店員や周囲の客たちにジロジロと見られて恥ずかしい思いをしてしまいそうですもんね。

    ■ 元店員としては「気にする必要全くなし」

     元アパレルショップ店長の筆者の見解としては、これが足が向かない理由であるならば全く気にする必要はありません。外出着であればどんな格好でもOK。あまり構え過ぎず、気軽に立ち寄って欲しい、というのが本音のところです。

     筆者が勤めていた企業では、積極的に声掛けを行う方針ではありませんでしたが、接客をする際は相手の格好も好みを知るひとつの材料としていたので、むしろ普段着であればあるほど、より趣味嗜好に合った服がおすすめ出来るかなと思っています。

     百貨店やブランドショップに行くのは、普段着ではさすがに敷居が高いかもしれませんが、ファストファッションを取り扱うお店であればあまり声もかけられないですし、深く悩まず買い物を済ませたい場合は「気に入ったマネキンの全身買い」もおすすめ。実際にこれで買っていく方も多いんですよ。

    ■ それでも服屋に行くのが億劫、という方には通販を利用するのもアリ

     とはいえ、そんな普段着も持ってない……という「服を買いに行く服がない」ガチ勢の方には、便利な通販という手段もあります。

     アパレル各社は特にオンラインショップの販売に力を入れていますので、ほとんどのブランドが自社でサイトを持っていたり、楽天やAmazonといった大手通販サイトに委託していたりしているはず。もしも気になるブランドがある場合には、そちらを調べてみるのも良いでしょう。口コミやレビューも参考に出来るのも、通販を利用するメリットです。

     ただし、通販の場合は試着が出来ない、という大きなデメリットが。自分に合うサイズがよくわからない場合は、手持ちの服と、ページで案内されているサイズ換算表等と照らし合わせながら購入する必要があります。さらには、届いた現物は思っていた色味と違った……なんてことも。

     タグを切ったりしなければ、基本的には返品や交換が可能ですが、これはこれで結構面倒な作業になってしまいます。そのブランドを普段から愛用している場合でなければ、やはり実店舗に行って現物を確認することをおすすめします。

    ■ 実店舗の店員もひと昔よりマイルドになっている印象

     アパレルショップの店員、と聞くと、成果主義で”デキる”販売員ほどゴリゴリ推してくる……という印象を持っている方も多いかもしれませんが、近年はそうやって購入を迫るより、リピーターの獲得に重きを置いて、相手に合わせた接客を行う方針のお店も多くなっています。

     例えば「服を買いに行くための服がない」のであれば、季節を問わず着用できるものだったり、着回しがしやすいアイテムを選んでくれるといった風に、あなたの生活をより良くするために必要な服を、程よい距離感で提案してくれるはず。

     もしも、ひと昔前に体験したイヤな接客が基になり、店舗に足を運ぶのが億劫になっている方や、アパレル店員に対してそうしたイメージを持っている方は、ぜひ改めて足を運んでみてください。もしも気に入るものがなかったとしても、きっと「また次も来ようかな」という気持ちになっているはずです。

    【山口弘剛:筆者プロフィール】
    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育て中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動中。

    あわせて読みたい関連記事
  • 「TIGORA×ジョジョ」コラボウェア誕生 着た感想をありのまま話すぜ
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    「TIGORA×ジョジョ」コラボウェア誕生 着た感想をありのまま話すぜ

  • pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策
    インターネット, 社会・物議

    pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

  • 布団に入ったまま1日過ごしたい!夢のアイテム「お布団ダウンジャケット」が欲しすぎる
    インターネット, おもしろ

    布団に入ったまま1日過ごしたい!夢のアイテム「お布団ダウンジャケット」が欲しすぎ…

  • 見せてもらおうか、国産パーカーの性能とやらを
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    COSPAから“ザクになれる”パーカー登場 普段使いできる3シーズン対応

  • 「いつも同じ服着てない?」と言われないために…… 服装管理アプリ「KORE着た」がリニューアル
    商品・物販, 経済

    「いつも同じ服着てない?」と言われないために…… 服装管理アプリ「KORE着た」…

  • 3歳児が編み出した「おりがみネイル」に母も驚き「どこでネイルなんて知ったの!?」
    インターネット, おもしろ

    3歳児が編み出した“おりがみネイル”に母も驚き「どこでネイルなんて知ったの!?」…

  • ガールズユニット「VVUP」が「RICH & FAMOUS」とコラボした5アイテム発売!KAWAIIとCOOLが融合
    商品・物販, 経済

    ガールズユニット「VVUP」が「RICH & FAMOUS」とコラボした5アイテ…

  • 縫われたダメージ箇所
    インターネット, おもしろ

    「寒そうだから」だけではなく……姉のダメージジーンズを縫った弟が明かすまさかの理…

  • ニット類の首元の紐、実は落下防止のためのもの 不要なら切ってしまってもOK
    ライフ, 雑学

    ニット類の首元の紐、実は落下防止のためのもの 不要なら切ってしまってもOK

  • 知らんかった……無印良品が指南「靴下のタグの取り方の"正解"」
    ライフ, 雑学

    知らんかった……無印良品が指南「靴下のタグの取り方の”正解̶…

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ゆるすぎる図解
    インターネット, おもしろ

    「シナシナランボ」から「夢心地の汁」が……? 金精軒のチェリーボンボン解説図がゆ…

  • 「あんた、本当に猫なのかい!?」 ソファの肘掛けで完全なる脱力を見せる猫
    インターネット, おもしろ

    「あんた、本当に猫なのかい!?」 ソファの肘掛けで完全なる脱力を見せる猫

  • コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

  • 世界はこんなに曖昧で、美しい 美大生が作った「視力が低い写真集」に共感の声
    インターネット, びっくり・驚き

    世界はこんなに曖昧で、美しい 美大生が作った「視力が低い写真集」に共感の声

  • 2026年はみんなで「おめでとう」 エヴァと年を越すラジオ特番「カウントダウン・エヴァンゲリオン」放送決定
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    2026年はみんなで「おめでとう」 エヴァと年を越すラジオ特番「カウントダウン・…

  • 「サンドイッチの具」になれるイヤーマフが爆誕 「企画デザイン2時」の新グッズに8万いいね
    インターネット, おもしろ

    「サンドイッチの具」になれるイヤーマフが爆誕 「企画デザイン2時」の新グッズに8…

  • トピックス

    1. Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Googleは12月16日、個人情報がダークウェブ上に流出していないかを確認できる「ダークウェブ レ…
    2. Gmailを受診している画面

      Gmailの仕様変更でPOP受信が終了 自分は対象?POP利用チェック

      Gmailの仕様変更により、外部メールを取り込むPOP受信機能が2026年1月より利用できなくなりま…
    3. イベント「清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭」(清水駅前銀座商店街)

      仲村トオルが清水に凱旋 映画「ビー・バップ・ハイスクール」40周年イベント開催

      映画「ビー・バップ・ハイスクール」(1985年)の劇場公開40周年を記念したイベント「清水 ビー・バ…

    編集部おすすめ

    1. 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      国土交通省と気象庁は12月16日、雨や洪水などの危険を伝える「防災気象情報」について、2026年(令和8年)の大雨シーズンから新たな運用を始…
    2. コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      夏コミ名物、会場の熱気と参加者の汗が昇華して天井付近に発生するという伝説の現象「コミケ雲」。まさかそれを口にできる日が来るとは、誰が想像した…
    3. Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      情報処理推進機構(IPA)は12月10日、多くのウェブサービスで使われている開発技術に重大な問題が見つかり、国内でも悪用したとみられる攻撃が…
    4. ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」で活動するライバーをサポートしている事務所4社が、所属ライバーの“退所後の活動”を不当にしばっ…
    5. パラマウントのプレスリリース

      まるで三角関係?Netflixと“婚約発表”したワーナーにパラマウントが求婚 関係を分かりやすく解説

      アメリカの映画製作・配給会社であるパラマウントが12月8日、同じくアメリカのメディア企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を1株…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト