おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

秘境ロケ地の魅力とは?山形「スタジオセディック庄内オープンセット」が正直お知らせ→「秘境です」「だがそれがいい」

 「秘境です」「だがそれがいい」。こんな訴えを「正直おしらせ」と題して、SNSに投稿したのは山形県にある「スタジオセディック庄内オープンセット」です。ここには映画やドラマなどの撮影で使用する農村や宿場町、山間集落などのセットが建設されています。

 今回は「秘境」にオープンセットを建設した経緯や苦労などについて話をうかがいました。

  •  日本百名山のひとつ、山形県の月山。その山麓にあるのが「スタジオセディック庄内オープンセット」です。26万4000坪という広大な敷地に建設されたオープンセットでは、これまで数々の名作映画やドラマが撮影されてきました。

     そのせいか、「あれ?どこかで見たような……」と感じる風景も多いです。記者の頭の中には、ターバンを巻いた勇者が浮かんできました。

    数々の名作映画やドラマが撮影されてきました

    まさに「日本の原風景」

    ■ 元々は採石場

     元々、この場所は採石場でした。2005年、そこに三池崇史監督の映画「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」のオープンセットを建設。翌年、撮影をおこなったのが始まりです。

     ちなみにこの時は大規模な爆破シーンの撮影があったそう。その許可を得るために行政や地元の人たちに協力してもらい、ロケ地に決めることができたといいます。

    現在の「スタジオセディック庄内オープンセット」に変更

     その後も地元への映画誘致やセットの建設をおこない、2009年には前身の観光施設として本格的に一般公開が開始。2014年に運営会社の変更にともない、施設名も現在の「スタジオセディック庄内オープンセット」に変更されました。

    ■ まさに日本の原風景

     「秘境です」というコメントと共に投稿された4枚の写真は、まさに「日本の原風景」といった感じの写真ばかり。見渡す限り緑が広がっていて、もちろん舗装された道路などどこにもありません。

    「スタジオセディック庄内オープンセット」

     「本当に、ここは日本か?」と思ってしまいます。昔の日本にタイムスリップしたようで、「秘境」という言葉がよく似合います。

    可能な限り周囲の自然環境に配慮

     今回は「スタジオセディック庄内オープンセット」の担当者に、この場所に建設した経緯や苦労などについてもインタビューを行っています。取材はメールで質問一覧を送り、それに返答をもらう方式で行っております。

    ■ 行政や地元民の協力もあり、この場所へ

    ――どのような経緯で、この場所にオープンセットを建設されたのでしょうか?

     2005年にロケハン・セットの建設を行い、2006年に最初の作品を撮影。その後も地元への映画誘致・セットの建設を行い、2009年に前身の観光施設として本格的に一般公開を開始しています。

     2014年に運営会社の変更にともない、施設名を現在の「スタジオセディック庄内オープンセット」へ。現在も映画やドラマなど映像作品の撮影、一般公開を行っております。

    ――そもそも、この広大な敷地はどのようにして見つけたのでしょうか?

     2006年、この場所で最初に撮影した「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(三池崇史監督)で大規模な爆破シーンの撮影があり、それが可能な場所として行政・地元の方にご協力いただき、ロケ地として決定しました。

    ■ 毎年、冬はセットを守るため必死に除雪作業

    ――施設が完成するまでに大変だったことを教えてください。

     電気設備や水道など、インフラ整備が全くない状態からのスタートでした。時代劇の撮影を行うため、電線など現代的なものが映りこまないよう、また可能な限り周囲の自然環境に配慮した施設になっています。

    ――今でも苦労していることなどはありますでしょうか?

     冬季は3mほど雪が積もるため営業できず、毎年セットを守るための除雪作業に苦労しています。

    * * * * *

     良い作品を作りたいというスタッフたちの熱い思いがヒシヒシと伝わってきますね。今後この場所から、いくつの名作映画が誕生するのか楽しみです。

    <記事化協力>
    スタジオセディック庄内オープンセット公式SNS(@shonai_os
    場所:山形県鶴岡市羽黒町川代字東増川山 102

    (佐藤圭亮)

    あわせて読みたい関連記事
  • 映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に
    インターネット, おもしろ

    映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に

  • 海岸で本当の“石焼き芋”に遭遇? 美味しそうな石に6万いいね
    インターネット, おもしろ

    海岸で本当の“石焼き芋”に遭遇? 美味しそうな石に6万いいね

  • 「M3GAN/ミーガン 2.0」公式サイトは日本公開中止の告知のみの画面に
    エンタメ, 映画

    映画「M3GAN/ミーガン 2.0」日本劇場公開が突如中止 理由は不明

  • 支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ
    インターネット, 社会・物議

    支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ

  • 車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス
    インターネット, おもしろ

    車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス

  • 山形県山辺町公式Xアカウントが投稿した写真
    インターネット, 社会・物議

    桜の名所にタイヤ痕、公園でドリフト走行か 山形県山辺町がマナー遵守呼びかけ

  • 砂浜で「半熟玉子の化石」を発見?! 正体は自然が生んだ奇跡の産物
    インターネット, びっくり・驚き

    砂浜で「半熟玉子の化石」を発見?! 正体は自然が作った奇跡の産物

  • 名刺入れの中には半券などがビッシリ
    インターネット, おもしろ

    映画の紙チケットや半券は名刺入れに!映画好きが保管方法を紹介

  • 東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイキング映像公開
    エンタメ, 映画

    東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイ…

  • 新・暴れん坊将軍(@abarenbo2025)
    TV・ドラマ, エンタメ

    名台詞「余の顔を見忘れたか?」再び! 三池崇史監督のもと「新・暴れん坊将軍」

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)
    商品・物販, 経済

    ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」…

  • キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化
    商品・物販, 経済

    キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

  • 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言
    社会, 経済

    時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

  • ゴロっとチキンのカレーナポ
    商品・物販, 経済

    パンチョ初の人気投票1位「カレーナポ」が進化 期間限定で復刻登場

  • 山崎賢人さんと坂口憲二さん(※山崎賢人さんの崎の字は正しくは「たつさき」です)
    イベント・キャンペーン, 経済

    サントリー生ビール新CMメイキング公開 山崎賢人ら“生ひげ”姿で掛け合い

  • なか卯に「黒トリュフ薫る きのこ親子丼」が期間限定で発売
    商品・物販, 経済

    なか卯に「黒トリュフ薫る きのこ親子丼」が期間限定で発売

  • トピックス

    1. 丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が10月6日から、人気ラーメン漫画「ラーメン大好き小泉さん」とコラボした「らーめん缶」を、東…
    2. これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      親に怒られてしまった子どもが、その後に取る態度はさまざまです。落ち込む子もいれば、しっかり反省する子…
    3. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…

    編集部おすすめ

    1. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    2. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    3. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    4. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    5. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト