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思わず二度見の「タコ足ネックレス」 実物の仕入れから始まる制作の裏側を聞く

 くねくねした独特な形状をしたネックレス。よ~く見てみると、そのモチーフはなんとタコの足。

 作者は「タコのアクセサリー」を多数てがけている、タコ作家のタコナクションさん。なんと作品のほとんどは、本物のタコを型取りして作っているのだそうです。今回は「タコネックレス」をはじめ、その独特の創作活動についてうかがいました。

  •  物心がついた頃から生き物や植物を観察するのが大好きだったというタコナクションさん。中でも、それらの個性的な「カタチ」に惹かれていたといいます。大人になっても「カタチ」好きは変わらず、料理をする時に食材をジッと観察。そこで心を奪われたのが「マダコ」だったそうです。

     サイズが大小あって規則正しく並んでいる個性的な吸盤やくるんとした足が魅力。タコナクションさんは「私の『好き』をクラスの一人が共感してくれたらいいな」という想いで、日々試行錯誤しつつも楽しみながら「多幸」な作品を生み出しているとのこと。

    タコピアス

     作品が完成すると自身のSNSにて、発表も行っています。今回の「タコのネックレス」も、「実にタコタコしい!!!!!」と興奮しての投稿。2本のタコの足が胸元で存在感抜群に輝くデザイン。タコナクションさんの言う通り、「タコタコしい」ネックレスです。

    タコのネックレス

    ■ 山口県下関市のブランドタコ「関門タコ」を使用

    ―― タコ作家を始められたのは2年半前とのことですが、始めたきっかけを教えてください。

     西洋ではタコは悪魔と言われることから、タコをモチーフとしたアクセサリーはごつごつしたり黒っぽかったり日常使いしづらい男性的なデザインが多いので「ないなら私が作ろう!」と思ったのもきっかけです。

    ―― 今回のタコのネックレスは、どのようにして作っているのでしょうか?

     「活きの良い朝どれマダコを仕入れる」→「観察」→「塩もみ」→「茹でる」→「シリコンで型取り」→「原型を複製」。ざっくり、こんな流れです。

     ちなみに「関門タコ」という山口県下関市のブランドタコを使用しています。潮の流れがはやい関門海峡のマダコなので、流されまいと踏ん張る力強い吸盤が特徴です。

    タコのペンダント

    ―― 本物を仕入れるところからはじめるんですね。すごい……。ちなみにタコのネックレスを作る上で大変なことなどを教えてください。

     タコの造形美をそのまま複製することです。腕先の1mmの吸盤まで欠けがないように……。地味で神経を使う工程が一番大変です。その分、綺麗に複製ができた時には「うわーーーーー!!!できたぞーーー!!」と、一人で声を上げて喜んでいます。

    ―― こだわりポイントを教えてください。

     タコの造形美を最大限に生かしたいので、活きを仕入れること。料理もアクセサリー作りも新鮮さが大切です。

     デザイン面では、タコの造形美を生かしてシンプルに。オン・オフ使えて、いつでも「多幸」が寄り添えるデザインに仕上げています。

    ―― タコの造形美をフルに生かしている感じがこちらにも伝わってきます。

     アクセサリーに「擬態」して一見タコに見えず、「え?タコ?」と言われて完成する作品もあります。

     タコという概念をなくしてその造形美に着目することで、タコに限らず見える世界も広がると思っています。固定概念で物事を見ず、広く世界を見てほしいという願いを込めています。

    タコの指輪

    ―― ちなみに作り終わったら本物のタコは、どうしているのでしょうか?

     型取りに使用した足は食べられないのですが、残った足は吸盤だけはがしたりして食べています。キュウリとワカメをたっぷり入れた酢の物が好物です。

    * * * * *

     話を聞いていると、「タコ愛」がヒシヒシと伝わってくるタコナクションさん。これからどんな「タコタコしい」アクセサリーが誕生していくのか楽しみです。

    <記事化協力>
    タコナクションさん(@takonaction_
    タコナクション公式サイト「story

    (佐藤圭亮)

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