「かき揚げ」と聞いた瞬間、我々日本人の大半は、刻んだ野菜や海鮮を衣でまとめた天ぷら料理を思い出します。

 しかし日本人以外からすると、「かき」がひらがな表記であるがゆえに、とある食材と間違えてしまうケースもあるようです。

■ 「かき揚げ」=「牡蠣料理」と勘違いしてしまった韓国人Xユーザーが話題

 韓国出身で、日本には学生時代から現在まで5年住んでいるXユーザー「スウビャム」さん。先日、外食中に起きたちょっとしたハプニングをXに投稿しました。

スウビャムさんの勘違い

「日本に来て五年目なのにやられたこと。

 食堂でめっちゃ安いカキの料理を発見。
 安いから少ないはずとは思ったけど、カキの口になったから少なくてもいいや、と思って頼んだ。

 『かき揚げそばを』」

 牡蠣料理だと思って頼んだら、まさかの勘違い。天ぷら料理の「かき揚げ」が来てしまったというのです。

 「かき揚げ」は掻き混ぜて揚げることからそう呼ばれているとされ、漢字にすると「掻き揚げ」。しかし「かき」の部分は大抵の場合はひらがなで表記されています。

 日本語ネイティブなら「かき揚げ」=「野菜や海鮮の天ぷら」だということを知識として知っていますが、字面だけ見れば「牡蠣の揚げ物」の方が近いです。

 「かき揚げ」がもし、知る人ぞ知るご当地メニューだったら、日本人でも多くの人が牡蠣料理だと思うに違いありません。

 「かき揚げは牡蠣料理ではない」ということを知らなかったスウビャムさん。勘違いに気がついたのは、食べたあとだったそうです。

 お皿がテーブルに届いても「(かき揚げは)小さいもの2つだったので完全にカキ2個だと思いました」と気が付かず、口に入れた瞬間に「え……?なんで?」と困惑したそう。

 「野菜の天ぷら(かき揚げ)も好きですが完全にカキだと信じたので……」(スウビャムさん)

 牡蠣とは味も食感も違いますから、そうなるのも納得です。とはいえかき揚げはかき揚げで好きだったので、変更などはせず、美味しく完食。

 そのときに満たされなかった牡蠣欲は、後日、広島・宮島(厳島)の牡蠣ラーメンを食べることで解消したとのことです。

■ 「富山」と「富士山」も紛らわしい……漢字が同じなのに読み方が違うなんて

 ちなみに「牡蠣」と「かき揚げ」以外でややこしい日本語があるかどうかうかがってみると「富士山」と「富山」だと教えてくれました。

 「富士山」を「フジサン」と読むことだけを知っている状態で、「富山」に行く用事があったスウビャムさん。「富山」を「『富士山(フジサン)』から『士(ジ)』を抜いて読めばいい」と思い、「トヤマ」ではなく「フサン」と読むと認識していたそう。

富士山

 言われてみれば「富士山」と「富山」で使われている「富」と「山」は同じ漢字なのに、どっちも読みが違うのって、変です。日本語って難しすぎません?

 その認識の状態で北陸新幹線に乗っていたスウビャムさんは、電光掲示板に表示された、「Toyama」というローマ字表記の名前を見ても「富山」に結びつかず。

 降りる直前のアナウンスでようやく「富山」が「トヤマ」と読むのだと知り、慌てて降りることになったそうです。

 日本人は当たり前に認識している言葉も、外国の方からすれば「あれ?」となるものが無数にあるに違いありません。

 それどころか馬肉を桜肉と呼んだり、鶏肉をかしわと呼んだり、日本人でさえときどきわからなくなる言葉もたくさんあります。

 日本語を学んでいる、使いこなしている外国人の方には尊敬の念しかありません。

<記事化協力>
「スウビャム」さん(@Foxtrot19_RADAR

(ヨシクラミク)