毎度ゆるくて役に立たないお話をお届けしております不定期連載の「無所可用、安所困苦哉」。第拾奈々回目となる今回は、おたく趣味人ならきっとみんななにかしらやっているであろう「コレクション」に関するお話し。
皆様は何かコレクションしているものがありますか?
何かに役立てるためのものではなくて、集めることが目的、というような。
「持っているのが目的」という趣味がコレクションですね。これが、うちでは嫁さんとの「合わない点」です。
嫁さんは、「コレクションは無意味」と言い切るタイプです。一方ワタシはかなりしょうもないものまでコレクションの対象にしてしまいます。基本、「もったいなくて捨てられない人」。もし、某Ama●onのダンボールが「毎回違う色」だったら、間違いなく集めていますね。
原点は子供の頃に流行った、牛乳瓶のフタの紙集めでしょうか。フルーツ牛乳のフタとか、価値が高かったなぁ。4歳児の間では(笑)。
それでは、今コレクションしているもの。
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・ある種の魚(小型プレコ、コリドラス類。どんな魚かはググってください)
・鉄道模型(1/160から1/48まで各種サイズ)
・萩尾望都関係のマンガ、書籍(現手発売CD-ROMもあります)
・ひさいち文庫(双葉文庫のいしいひさいち作品集)
・ネクタイ(購入後一度も使っていないものもありますよ)
・スターバックスカード(地方限定カードとかずるい)
・水曜どうでしょうグッズ(ステッカーとか貼らずにためる派)
・鉱物・化石(ほんの少しですがね)
・乗車券類(値打ちのないコンピュータ発券でも自分が乗ったのは大事)
・もしかすると動物も一種のコレクション(ヤモリは特に)
・萩尾望都の複製原画(版画・2枚しかないけど価格的には突出)
・別役実の本(というか、読んだ本は原則コレクション入り)
・ポールスミス(コートからハンカチまで)
過去に集めていたけどやめたもの
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・鉄道雑誌(「鉄道模型趣味」誌は400~700号は全部あるはず)
・時刻表(でも復刻版はしっかりキープ)
・シャープペンシルの芯のケース(個性が面白くて)
・牛乳瓶のフタ(前述)
・スパイス(使わないのに買ってこないとおこられましたまぁその通りですね)
・マンガ(まだ実家にはかなあるはず・・・)
・国土地理院の地図(廃線を探したり鉄道の撮影地を探したり)
・バードウォッチ(見るだけのコレクションは220種くらいまでいきました)
・水草(正直キツかったです)
この種類数は多いのか少ないのか?よくわかりません。
フィギュアは危険なので手が出せません。鉄道模型くらいの単価なら、「経済的に買えない」場合も多いのであきらめること多数ですが、フィギュアの多くは結構買えちゃう値段な上、あっという間に場所なくなりそうで。そうは言ってもねんどろいどぷちの長門はしっかり持っていますが。
これらは、ほとんどが「持っているだけでなんとなくうれしい」ものたちです。そもそも鉱物なんてなんの役にも立ちはしない(石のパワーとかは信じない方ですよ)ですが、眺めていると楽しい。三葉虫の化石なんての持っていて、たいした三葉虫じゃないですが(三葉虫では最も多く発掘されるもの)、持っているとなんだかうれしいんですよね。
鉄道模型はいくつあるんだろう?日本国内では実在の国鉄、私鉄のほか、トロッコとか、運輸省の所轄に入らない軌道(森林鉄道、北海道の殖民軌道など)とか、あと架空に設定した鉄道の車両、ネタ的に作った「ハルヒ電車・長門電車」もあります。海外ではスイス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ、カナダなどの車両があります。1000までは行かないと思いますが、まぁ小学生から20年以上の期間やってますので、かく集めたり、という感じです。
普段は箱に眠っていて、たまに運転会で走行するだけなのがほとんどですが、やっぱり持っているとうれしいのです。所有欲が満たされるんでしょうね。
ポール・スミスの服、小物は以前書いた通り。ネクタイはいずれご紹介したいと思います。
これらの他に、普通の本でも、手放せないものが多くあります。何度も読むからです。別役実のエッセイ、池波正太郎の小説、海外SFなどは、よく読み返します。もちろん鉄道関係の本・雑誌はもう書架1つを使い切ってまだ増殖しています。
鉄道関係の本・雑誌は、資料として重要なだけでなく、持っているだけで小さな幸せなのです。
嫁さんはこういう感覚がわからないといいます。場所の無駄だと。ワタシは「自分が価値を感じているなら無駄だとは思わない」のですが、こういう発想がおたく的なのでしょうか。
物が多すぎる、とよく言われました。というか今でもよく言われています。鉄道模型も、これは!と思った新製品はやはり買いますから、じわじわ増えています。もう持っていなくてもいいなと思ったものはオークションに出したりもしますが、結局売れなかったり。あとコレクションとはちょっと違うけれども、撮影した写真のポジやネガ。これもまぁ増えますね。ディスクに焼くだけのデジカメって便利ですけど、ちょっと味気ない感じもしています。
単発のコレクションで、数年前、つい買ってしまったのが、「東京ベイシティバスの行き先方向幕」ひと巻。なんと、某市主催のフリマで、ベイシティバスさん自ら500円で売っていたんです。500円でこれはちょっとすごくね?と、つい買ってしまいました。3000円出せば電動回転機器のついたのもあるよ、と呼び水を投げられたのですが、その装置はかなりデカイ&重い。回転の実演もしてくれました。バスの正面の行き先表示器、3000円でとなったらかなり欲しかったですが、こちらは徒歩。持って歩けませんし、さすがに置く場所のことを考えてあきらめました。バスも鉄道も幕式がだんだん減っていて、電光掲示板式になってきているので、それなりに貴重品であり、バス会社にしてみれば「捨てるものだし売れればもうけもの」だったのでしょう。
実は実家においたままなのですが、「都電の方向幕」も持っています。都電の車輛の解体現場が実家近くにあり、たまたまいただけたものです。
衝動買いも多いものですから、趣味モノに関しては、一生「超整理法」とは縁が無いだろうな、と思うのでした。
こうした蒐集をしたり、同じ本を読み返すようなことは、「場所の無駄、時間の無駄」だと言われますが、でも、趣味ってのは、その「無駄」とされる部分に価値を見出すものじゃないのかなぁと。金儲けなら無駄を排除したほうがいいのでしょうが、趣味は無駄と言われるものに意味づけができる、そういう(もしかしたら高尚な)行為?なんではないかと思いますが、みなさまはいかがですか?
■ライター紹介
【エドガー】
鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。