ロシアでは「大祖国戦争」と呼ばれる、第二次世界大戦の独ソ戦が終結して75年の節目を迎える2020年。新型コロナウイルス禍で延期されていた、恒例の軍事パレードが6月24日に実施されることとなり、会場となるモスクワの赤の広場では、6月17日から昼と夜間のリハーサルが始まりました。
例年では、ドイツ国防軍のヴィルヘルム・カイケル最高司令部長官がベルリン市内のソ連軍(赤軍)司令部に出向き、ソ連側の最高司令官であるゲオルギー・ジューコフ元帥と降伏文書に調印した5月9日(現地時間0時15分。イギリスやアメリカではまだ5月8日)の戦勝記念日に開催される恒例の軍事パレード。75周年となる2020年は、実際に従軍した元兵士が参列できる最後の大きな節目とあって、特に重要視されていました。
この年に合わせ、ロシアでは当時の主力戦車T-34などを多数動態復元。パレードの目玉となる予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人が集まる軍事パレードは延期に。5月9日の戦勝記念日当日は、航空機による空中パレード(フライオーバー)と、夜間の花火だけが実施されました。
そして新型コロナウイルス禍も落ち着いたこともあり、改めて6月24日に赤の広場でのパレード実施を決定。まずはモスクワ郊外のクビンカで、パレードの訓練が始まりました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、参加者全員はマスク姿。
6月17日からは、本番と同じく赤の広場に場所を移してのリハーサル。装備品も念入りに磨き上げられ、そして消毒されます。
同じく、電飾が施されたクレムリンをバックに、夜間のパレードについてもリハーサルが実施されます。大祖国戦争(第二次世界大戦)当時のジープや、オープンカーなども参加。
動態復元された多数のT-34戦車も、当時のマーキングを再現したり、戦勝75周年を記念した特別なマーキングをしたりした状態でパレードします。ここだけ見ていると、1945年の終戦当時にタイムスリップしたかのよう。
もちろん、最新の装甲戦闘車両「アルマータ」シリーズのT-14戦車や、主力のT-90戦車も。大小各種のミサイルもパレードに参加します。
部隊巡閲もリハーサルの重要な部分。厳かな雰囲気で進行します。
モスクワ、赤の広場での大祖国戦争勝利75周年記念パレードは、6月20日に最終の予行演習であるドレスリハーサルが実施され、6月24日の本番を迎えます。
<出典・引用>
ロシア国防省 ニュースリリース
Image:ロシア国防省
(咲村珠樹)