おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「こんな大人になりたい」膨大な知識量をアウトプットできる父親に称賛の声

 好きな物や得意な事にかけては計り知れない知識量を持つという人が世の中には何人もいます。しかし、それを誰かにたずねられた時、分かりやすくアウトプットできる人はどれほどとなるのでしょう?そんな事を考えさせられる投稿がツイッターで話題になりました。

  •  「『クラシック音楽聴きたいんだけど、何かオススメある?』と父に聞いたら、目の前で資料も何も見ずにこれを書いて渡してきた。こういう大人に私はなりたいんだよなぁ、とつくづく思う」と、父親が書いた手書きの年表とともにツイッターに投稿したのは、読書家のこのこねこさん。

     お父様が書いたというその紙には、縦軸に時間(年代)、横軸に地域としてあり、1600年ごろから現代に至るまで、世界の地域ごとに様々な作曲家の名前が記してあります。

     特に資料を見ずにざっくりと書いたものなので年代のズレもそこそこあるようですが、それを差し引いても世界中のクラシック作曲者の中でもお勧めが書かれており、さらに赤ペンで「聞きやすい」などの注釈や曲の種類など丸が振ってある内容の濃いもの。

    「こんな大人になりたい」膨大な知識量をアウトプットできる父親に称賛の声 手書きのお勧め

     この年表にはクラシック音楽にほんのり親しんだ程度の筆者もつい頬が緩みました。知っている作曲家や好きな楽曲が書かれていると、親しみや共感を持てますよね。個人的に好きな曲などが書かれているとついテンションが上がってしまいます。

     このツイートには多くの「私のおすすめ作曲家・曲」がリプライに寄せられていますが、それ以上に「素敵なお父さま!子供にそう思ってもらえる親って素敵だなぁ」「知識をひけらかさず、ここぞという時に的確なアドバイス。カッコイイお父上ですね」と、お父様の知識量に裏打ちされた行動が称賛されています。確かに、普段から押し付ける事なく、ここぞ!という時に持てる知識をスマートにアウトプットできるお父様の行動のスマートさは憧れてしまいます。惚れてもいいですか?

     投稿者のこのこねこさんに、色々とお話を伺ってみました。お父様は現在還暦を過ぎたあたり。少なくとも約20年はクラシックに親しまれていらっしゃるそう。このこねこさんが中学生の頃に「ファンタジア2000」を観て感銘を受けた時、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」のCDを貸してくれた記憶があるのだとか。

     以来、一時期は「動物の謝肉祭」やガーシュウィンの「ラブソディ・イン・ブルー」などはよく聞いていていた、というこのこねこさん。しばらくはクラシックからは離れていたそうですが、今回、読書のテーマを決める際に「今年は教養を深めるため『美術』と『クラシック音楽』をテーマとしたということもあり、あらためて父にオススメのクラシック音楽を聞いた、という次第です」と答えてくださいました。

     お父様のお勧めとともに、多くのリプライでのお勧めが寄せられていますが、このこねこさんは「次はラフマニノフ等のロシアの作曲家を聴いてみようと思っています。父のリストの中からドビュッシーを選んだのはフランス文学が好きだから、というのが理由ですが、ロシア文学も好きなので、その流れで次はロシアに行こうかと思います」とコメント。

     ドビュッシーの代表曲であるピアノ曲「月の光(4曲構成の「ベルガマスク組曲」第3曲)」は、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌ(上田敏が訳詩集「海潮音」で紹介した「秋の日の ヴィオロンの ためいきの」で始まる詩編などで知られる)の詩集「艶なる宴」に収録された「月の光」に想をとって作曲されたと解釈されているので、フランス文学との関係でドビュッシーを選んだのは、お父さんのリストでは言及されていませんでしたが、このこねこさんも「センス」があるのかもしれませんね。

     また、ラフマニノフもチェーホフとの親交で知られ、ロシア文学とかかわりの深い人物。作曲家としてでなく、後半生は優れたピアニスト、指揮者としても有名で、数々の演奏もレコーディングされているので、曲と演奏を幅広く楽しめる意味でもよい選択かもしれません。ラフマニノフが薫陶を受け敬愛したチャイコフスキーも聴いてみると、2人の関係が曲の面で楽しめるかも。

     ひと口にクラシック音楽と言っても、年代から地域での特色は様々。これを全部まとめてクラシックと称していいのかな?とたまに思う事もなきにしもあらずなのですが、だからこそ、その年代や地域で流行った作曲法や奏法などを世界単位で巡ると、その面白さがよく分かったりするものなのです。

     今までクラシック音楽に興味が持てなかったという人も、「これどこかで聞いた気がする」という曲から、好きな曲や作曲家を見つけてみるのもまた一興かもしれませんね。

    <記事化協力>
    このこねこ@年間500冊の乱読家さん(@konekoneko5)

    (梓川みいな)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • 縫われたダメージ箇所
    インターネット, おもしろ

    「寒そうだから」だけではなく……姉のダメージジーンズを縫った弟が明かすまさかの理…

  • 美味しそうに仕上がった3本のアイスキャンディー
    インターネット, おもしろ

    「これが絶望です」何かがおかしい手作りのアイスキャンディーに4万いいね

  • 画像提供:やきちゃんさん(@110tr_)
    インターネット, おもしろ

    娘の「おままごと」に全力で付き合う家族 「こちらがいま話題のお店です!」

  • 画像提供:平岡瞳さん(@hitomihiraoka)
    インターネット, 感動・ほのぼの

    紙をめくっていくと……幻想的な版画作品に多くの人が魅了

  • 画像提供:え~し 無粋なガキさん(@ESi_nicijo)
    インターネット, おもしろ

    男のロマン「新築自宅に小便器を設置」 父親の長年の夢叶い息子も称賛

  • 「SEKISUI HOUSE DAY vol.02」開催 こんまりが家づくりの「疑問」や「あるある」を解説
    イベント・キャンペーン, 経済

    専門家が家づくり「あるある」を解説 こんまりら出演のオンラインイベント「SEKI…

  • 画像提供:まむとゆんずさん(@mamu_yunzu)
    インターネット, おもしろ

    「失敗しても明るい妹」に14万いいね! 失敗したクッキーでジョジョ立ち?

  • 冷蔵庫内の少量残された麦茶にイラッ……生活あるあるに共感の声
    インターネット, おもしろ

    冷蔵庫内の少量残された麦茶にイラッ……共同生活あるあるに共感の声

  • 画像提供:きよきよさん(@kiyokiyokingdom)
    ライフ, 雑学

    粋で愛あふれる「葬式の心得」 100歳祖母の終活観に共感あつまる

  • タイトルは「繋」 温もりあふれる猫の木像に込められた思いとは
    インターネット, おもしろ

    タイトルは「繋」 温もりあふれる猫の木像に込められた思いとは

  • 梓川みいな看護師(正看護師有資格者)

    記事一覧

    一般内科、呼吸器科、整形外科、老年科、発達障害などを得意とする。医療・介護福祉等に高反応。雑多なネタも紹介していきます。
    娘二人(ともに発達障害あり)とネコ二匹の母。シングル。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 災害ボランティアに行く前にやっておくべき大切なこと
    社会, 雑学

    災害ボランティアに行く前にやっておくべき大切なこと

  • お餅での事故を防ぐ ここがポイント!(出典:政府広報オンライン)
    社会, 雑学

    お餅での事故を防ぐ 3つのサインと3つのポイント!

  • 巨大イベントへ遠征に行ったらインフルエンザを拾ってきた話(画像:イラストACより)
    ライフ, 雑学

    巨大イベントへ遠征に行ったらインフルエンザを拾ってきた話

  • 【ナースなコラム】MRIに禁忌なアレコレ え?増毛パウダーも!?
    ライフ, 雑学

    【ナースなコラム】MRIに禁忌なアレコレ え?増毛パウダーも!?

  • みかんは体に良いってほんと? 効能は?適量は?
    ライフ, 雑学

    みかんは体に良いってほんと? 効能は?適量は?

  • 【看護師コラム】実はこれやっちゃダメなんです!処方薬の使いまわし
    ライフ, 雑学

    【看護師コラム】実はこれやっちゃダメなんです!処方薬の使いまわし

  • トピックス

    1. じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活

      じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活

      今の30代~40代が幼い頃に夢中になった「にこにこ、ぷん」が、令和の時代に新たな姿でよみがえります。…
    2. 定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      夏になると、どうしてもあっさりしたものばかり選びがち。そんな中、「のり弁を冷やして食べる」──気にな…
    3. カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      東京・汐留の商業施設「カレッタ汐留」にある異色の立ち食いそば屋「そば さやか」がSNSで話題です。極…

    編集部おすすめ

    1. 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      育児用品メーカーのピジョン株式会社は8月6日、同社が2023年6月より販売している管理医療機器「電動鼻吸い器 SHUPOT(シュポット)」に…
    2. 怨念渦巻く家で、ナダルと村重杏奈が「リフォームホラーハウス」に挑む

      一軒家を魔改築する「リフォームホラーハウス」、MBSテレビで放送

      一軒家を丸ごとホラー仕様に魔改築する前代未聞のホラー×バラエティ番組「リフォームホラーハウス」が、8月8日と15日の深夜にMBSテレビで放送…
    3. RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      「RTA in Japan」は8月4日、2025年夏大会において、任天堂株式会社のゲームを利用しないことについて、経緯を説明。法人による任天…
    4. Nick Turley氏(@nickaturley)の投稿

      ChatGPT、週次アクティブユーザー7億人目前に 4か月で2億人増加

      米OpenAIが開発する対話型AI「ChatGPT」の人気が、再び急上昇しています。ChatGPTのプロダクト責任者であるNick Turl…
    5. 日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある“アボカドスキャナー”が便利すぎる

      日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある「アボカドスキャナー」が便利すぎる

      アボカドはギャンブルです。スーパーなどで見かけても、どれくらい熟してるのかは見た目ではわかりません。触って確かめることもできますが確度は高く…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト