10月18日、相模湾で海上自衛隊の観艦式が行われました。陸海空の各自衛隊が毎年持ち回りで実施している恒例の観閲行事、つまり海上自衛隊にとっては3年に一度の大きなイベントです。その様子を前回の2012年同様、3回に分けてご紹介します。
観艦式は18日ですが、それ以前に2回の予行(事前公開)と、それに付随したイベント「FLEET WEEK」があります。今回はその事前イベント「FLEET WEEK」についてご紹介。
今回の観艦式では、車両広告として京浜急行電鉄、横浜市営地下鉄ブルーライン、JR東日本中央・総武線各駅停車の各1編成を貸し切り広告列車にして、中吊り広告などで告知を行いました。そのうちのひとつ、京浜急行電鉄600形606編成「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」の様子はこんな感じ。
この他にも、観艦式に参加する艦艇が出発する横須賀・横浜・木更津市内の各主要駅にポスターが掲示され、渋谷駅頭の街頭ビジョンでプロモ映像も流していました。
▼【自衛隊観艦式】 平成27年度自衛隊観艦式告知映像(2) ~海上自衛隊~
https://youtu.be/usNuM411blQ
そして、10月10日~17日にかけては「FLEET WEEK」として、横須賀・横浜・木更津の各所で、信号旗によって彩られた満艦飾の艦艇一般公開など、様々なイベントが行われました。
横浜港の大さん橋では、今年就役した最新鋭のヘリコプター搭載護衛艦、いずも(DDH-183)が一般公開。今年4月11日に実施された特別公開では、応募ハガキが殺到してすごい倍率になっていましたが、今回も大人気。
格納庫も広々。幅は21m、高さ7.2m、甲板3層分の吹き抜け空間です。
全長248m、基準排水量19500トンという数字だけを聞くと大きさが想像しにくいかもしれませんが、最高で地上からの高さが15mある大さん橋の屋上「くじらのせなか」から見るとこんな感じ。飛行甲板の高さが同じくらいですね。
いずもの特徴のひとつと言えるのが、舷側に張り出した航空機昇降用のエレベータ。舷側に張り出したことで、エレベータの底面積より大きいものでも昇降させることができます。
実際に運用してみると、思ったより開口部から潮や波しぶきが入ってくるそうで、波や風の状態によっては搭載機が潮を被らないように注意する必要があるとか。これから様々な運用実績を積み重ね、次世代の開発に活かしていくとのこと。
また、横浜ではアニメ『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』とのコラボで、渕上舞さん(イオナ役)・沼倉愛美さん(タカオ役)・山村響さん(ハルナ役)で結成されたユニット「Trident」のトークショーやライブ、そして横浜新港に接岸している潜水艦救難艦ちはや(ASR-4023)、訓練支援艦くろべ(ATS-4202)で1日艦長を務めるイベントも行われました。
それぞれ、渕上舞さんはちはやの、沼倉さんと山村さんはくろべの1日艦長。渕上さんがちはやの1日艦長を務めたのは、イオナのパートナーであるイ401艦長、千早群像にちなんでのものでしょうが、実はちはやのマスコットマークは、搭載する深海救難艇(DSRV)にちなんで「あんこう(チョウチンアンコウ)」。中の人ネタとしては『ガールズ&パンツァー』ともかかっていて、興味深いものでしたね。
ちなみに、潜水艦救難艦ちはやは、護衛艦あきづき、音響測定艦ひびきと並んで、アイドルマスター好きの艦船ファンからは「アイマス(765プロ)艦」としても知られています。
東京湾を挟んで横浜の対岸に当たる木更津では、試験艦あすか(ASE-6102)、護衛艦ちょうかい(DDG-176)、護衛艦こんごう(DDG-173)が一般公開されました。
17日は、自衛隊千葉地方協力本部のマスコット「千葉3兄妹」がハロウィン仕様で登場。来場者の人気を集めていました。
3艦はそれぞれ、艦橋をはじめとする艦内も公開。特にイージスシステム搭載艦であるこんごう、ちょうかいは、なかなか艦内の公開を行わないので、来場者は興味津々。1佐を表す赤いカバーのかけられた艦長席(2佐の場合は赤・青)に座って記念写真を撮る姿も見られました。
こんごうの艦内神社には金剛山葛木神社が勧請されていますが、戦艦金剛の艦内神社だった、同じ金剛山に座する建水分神社(たけみくまりじんじゃ)や、航海の安全を護る金刀比羅宮のお札も見うけられます。
操縦室(機関制御室)や食堂なども公開。
こんごうとちょうかいは、定係港である佐世保と、横須賀で開催された「護衛艦カレーグランプリ」で連続して上位入賞するなど「カレーのおいしい艦」としても知られています。食堂の壁には、それぞれ護衛艦カレーグランプリで獲得した賞状や記念プレートなどが誇らしげに掲示されていました。
この他、横須賀では観艦式に参加する外国艦の一般公開も行われました。
※本稿は3回特集の1回目です。2回目は12月1日に掲載します。
(取材:咲村珠樹)