トランプゲームのひとつ「神経衰弱」。数字が見えない状態で、同じ数字の札を揃えていくゲームです。もしも、その神経衰弱を「口の上手さ」や「へりくつ」で乗り切るゲームがあったなら?

 それを実現させた「大喜利タイプ」の神経衰弱ゲーム「根性神経衰弱」が、昨年2021年11月20日に発表されています。作者のテーブルゲーム作家「イリジウム」さんに、作品についてうかがいました。

■ 「口の上手さ」が重要な鍵となる神経衰弱

 アナログゲーム「根性神経衰弱」は、「根性」と「神経衰弱」相反する言葉を、うまく融合させた大喜利タイプのカードゲーム。プレイ人数は3~4人、プレイ時間は10分~20分で、子どもから大人まで楽しめるゲームになっています。

 最大の特徴は、神経衰弱にもかかわらず「ペアになっている絵カードが存在しない」こと。このため、「知識」と「ごり押し」、「説得」でゲームを進める必要があり、共通点を見付けるとっさの判断力も重要。さらに他のプレイヤーに対して、納得のいく説明をしないといけない「口の上手さ」も重要な鍵となってきます。

ゲームの簡易説明

 例えば、「じゃがいも」と「パプリカ」というカード。本来の神経衰弱であれば、揃わないはずの2種類のカードですが、「この2枚のカードは食べ物という共通点があるので、同じカードだ」、「植物という共通点があるので、同じカードである」など、ごり押ししてカード獲得に挑みます。

絵カードパプリカ

絵カードじゃがいも

 特に子ども相手の場合には、とっぴな共通点をあげてくることもあり、子どもの豊かな発想を聞くことができる、という点も本ゲームの楽しみ方なのだとか。大人同士で遊ぶ際は、大人ならではの「へりくつ」や、「条件を狭めたルール」を設定した遊び方も楽しむことが出来そうです。

【ゲームの概要】

カードを2~3枚めくり、共通点を主張して、相手に揃っていることを認めさせれば得点に繋がるゲーム。

・最初に「チームカード」を引いて、誰が同じチームか分からないように、自分だけ確認する。(ゲームの最後にチームを確認し、得点計算を行なう)
・「絵カード」を2~3枚めくり、共通点を主張し、他のプレイヤーの半数以上を納得させれば絵カードを獲得し、カードに記載されている得点が入る。出来なければ絵カードを場に戻し、次のプレイヤーに手番が回ります。
・手番を繰り返していき、「絵カード」に含まれている「ENDカード」を合計3枚引いたら終了。最初に引いた「チームカード」のチーム合計点で勝敗をきめます。ただし、プレイ人数が3人の場合は、チームメンバーがいないプレイヤーの点数が2倍になります。

■ 戦略性と逆転が魅力

 作者のイリジウムさんによると、ゲームのおすすめのポイントは「以前獲得できた組み合わせが、遊ぶ人によってはダメだと言われたり、苦し紛れの説明が大爆笑を起こしたりと、遊ぶ人や場所によって変わる大喜利的な戦略性と逆転性」とのこと。

 また、このゲーム最大の醍醐味については「このゲームは自分の番に3枚までカードをめくれるんですが、その分3枚の共通点を説明する難易度は跳ね上がりまして……(笑)。 でも、上手く成功して有利になったときの楽しさはぜひ味わってほしいです」と語っています。

 イリジウムさんは、Twitterで作品の告知をしている他、サークル名「根性論大好き委員会」として、通販で2000円前後での販売。また、2022年10月に行われる「ゲームマーケット2022年秋」(東京ビッグサイト/10月29日・30日)両日での参加予定。ブースは「両-シ04」にて、現在制作中である新作、「帝王の巡礼」も頒布予定とのことです。

新作の発表

<記事化協力>
根性論大好き委員会さん(@Konjo_Lovers)
イリジウムさん(@iriziumu)

(戦魂)