本日2月22日は「猫の日」ですが、猫の日にあわせてJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が1月1日~31日にかけて発生した「猫がクルマに入り込んだことによるトラブル」の救援依頼件数を発表しました。

 1月1日~1月31日の1か月間の間に猫が原因で起こったトラブルでJAFが出動したのは19件。うち13件がエンジン始動後に異変に気づき救援依頼があったという事です。
更に1件は寒さのさほど厳しくない沖縄県からの依頼。JAFには1年を通して猫がクルマに入り込むトラブルの救援依頼があるそう。

■エンジンルームは小動物に居心地のいい空間

 往来の少ない場所に駐車してある車のエンジンルームは狭くて雨風もしのげ、警戒心の強い野良猫にとって安心して過ごす事が出来てしまう場所。寒い日に暖を取りに来る事もあれば暑い日の日差しを避けるようにエンジンルームに潜る事も、静かな環境で落ち着いて眠れる場所を求めて入り込む事もあり年間を通してエンジン始動前の点検はその都度必要と言えます。

 エンジンルームへの侵入は猫や小動物であれば車の下から潜り込むなどして簡単にできてしまいます。エンジンルームに入り込んで、ぐっすり寝ているところに突然エンジンをかけると、エンジンベルトに猫など入り込んでいる動物の体が巻き込まれてしまい、最悪の結果につながる事もしばしばみられています。

 最近はエンジンスターターなどを用いて車に直接触る事なくエンジンをかける事も出来てしまいますが、その結果エンジンルームに入り込んでいるかもしれない小動物に気が付かないで巻き込んでしまうといった事例もあるようです。

 こういった事を未然に防ぐために、JAFでは「ボンネット付近をパンパン」とやさしく叩く事を推奨しています。できればひと手間を惜しまずボンネットを開けてエンジンルームへの侵入者がいないか確かめるのがベストな方法ですね。

■猫以外の侵入者も

 猫以外にも、ネズミやヘビがエンジンルーム内に侵入していたという報告もあり、中には鳥が巣を作っていたという事例もあるそうです。また、車にしばらく乗っていない間に猫が子供を産んでいたという事例も報告されています。SNS上でも時折こうした報告を目にする事もあり、エンジンルーム内に動物の毛やフンがある場合は特に注意が必要と言えます。

 こうした動物の侵入を防ぐのは難しいものがありますが、日常的に猫などを近づけない対策を講じる、市販の猫避けグッズや忌避剤(臭いなどで近づけさせない薬剤)を使うなどの方法でなるべく侵入を防ぐ、エンジンをかける前に軽くクラクションを鳴らすという方法もJAFでは紹介しています。

■強く叩きすぎもよくないよ!あくまで優しく叩いてね!

 「ボンネットパンパン(コンコン)」「猫バンバン」というのを聞いたことがある人も多いと思います。全て趣旨は同じもので、車に乗る前にボンネットを叩いて、猫や動物たちに知らせようというもの。

 車に乗る前にボンネットを叩いて猫に知らせよう!という行為の必要性が知られるようになったのは、JAFが2013年11月に「ネコがエンジンルームに入りたがる季節です。エンジンをかけた途端!パニクッてベルトなどの回転部分に巻き込まれてしまいます」「(乗車前に)ボンネットをパンパンしましょ!」とツイッターで呼びかけたのがきっかけ。投稿は当時、爆発的に拡散され、それを機に動物愛護団体も動き出し「ボンネットコンコン」としてもSNSを通じて拡散。そしてさらにそれを広めたのが日産。2015年から日産が「猫バンバン」として提唱し、ネットの外にも広く行為の必要性を知らせたのです。日産では特に「#猫バンバン」プロジェクトとして展開。今や最も有名なキャンペーンになっています。

 日産のキャンペーンでは、様々なデザインのステッカーデータを配布するなど力を入れています。ロゴデータやステッカーデータは個人の使用範囲内であれば無料でダウンロードできるので、車のキーホルダーに付けたりマグネットに加工してボンネットに貼り付けるなどして、車のエンジンをかける前に気が付くようにできる工夫も一案。少しの手間で小さな命を救えるエンジンルームへの侵入対策。心掛けたいことですね。

 ちなみにボンネットを叩く強さについて、JAFでは「猫ばんばん叩きすぎると逆効果」「あんまり強く叩くとビビりな猫はもっと奥へと入り込み篭城を決め込むので要注意」というメッセージをツイッターで発信しています。叩くならば「パンパン」か「コンコン」くらいの軽さの方がいいようですね。

<参考>
猫がエンジンルームに入ることを知っていますか?|JAFクルマ何でも質問箱
日産:#猫バンバンプロジェクト 猫も人も安心して過ごせる社会のために

(梓川みいな)