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昭和感溢れてると話題になったサミット手書きチラシの制作秘話を聞いてみた

 首都圏にスーパーマーケットを展開している「サミット」。関東にお住まいの方は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。一口にスーパーマーケットといっても、お店ごとに置いている商品や価格も様々ですが、サミットはというと、どちらかと言えば地域に根ざし、鮮度とコストパフォーマンス重視のスーパーマーケットといった印象。生鮮食材の鮮度もさることながら、「お惣菜コーナー」は立ち寄らずにはいられないほど種類も豊富なんです。ついつい買う予定のなかったお惣菜に手が伸びてしまうのは、私だけでしょうか? そんな消費者が自然に足を運びたくなる「ついで買い」の仕掛けはもはや店内だけに留まらないようです。

  •  それが、サミットの折り込みチラシ。客の投票で各バイヤーの公約が実現するという「惣菜総選挙」がテレビで取り上げられたことをきっかけにサミットのチラシが一躍話題となりました。なんでも、それぞれの惣菜バイヤーが代表に立ち、四元豚のロースかつ重は「スタミナ党」、にぎり寿司「旬鮮」は「海鮮維新の会」といった具合に、党のネーミングにまでこだわる徹底ぶり! その中でも、ヘルシー党では、7種の野菜ポテトサラダを「1.5倍に増量!乳酸菌を加え、お値段据え置き!」と、消費者の懐事情と健康を気遣う公約を掲げるなど、バイヤーたちの意気込みが感じられます。このような面白い企画もあってか今では、サミットの折り込みチラシをいつも楽しみに読んでいるという主婦の方も多いそうです。


     そんな中、またしても次なる企画をサミットは仕掛けてきたようです。「手描きで昭和感あふれてる」、「サミットの広告ブッとんでますよね……」などTwitter上で話題を呼んでいるサミット特製「手書き折り込みチラシ」。絵から文字まで全て手書き……これだけ情報を載せるのに、どれだけの時間がかかるのかと想像しただけでも途方に暮れそうです。そこで、サミットの広報担当者に手書き折り込みチラシがどのように作られているのか聞いてみました。

    ――ネットで話題になった手書きの折り込みチラシは、いつ頃発刊されたものですか?

    こちらの手書きチラシは、6月20日号発刊のものです。

    ――こちらのチラシは、全店舗分を手書きで作ったのでしょうか?

    サミット全店舗の折り込みチラシを手書きで作成しています。ただ、こちらの手書き折り込みチラシに関しては、創業55周年ということもあり、特別に作られたもので「今回のみ」になります。また、何周年など記念とする年になれば、また手書きチラシのような企画をするかもしれませんが……。手書きチラシの内容に関しては、地域によって価格など少しずつ違いますが、全店舗分制作しています。

    いつも本部の営業企画部の者と外部の制作会社とでチラシの内容を企画し制作しています。サミットの折り込みチラシに関しては、通常水、土、日曜日などで出しています。

    ――手書きのチラシを作るのにどれくらい時間がかかるものなのでしょうか?

    1日8時間位でしょうか。PCでデザイン・制作しているチラシに関しても、企画から発刊するまでどのぐらいの期間がかかるということも、明確には言えませんね。本部の者が3人ほどと、制作会社と一緒になって制作しておりますので、何人体制でということもはっきりとは言えませんね。

    ――手書きの場合はポスカなどのペンで書かれているのでしょうか? チラシを作る際に気を付けていることがあれば教えてください。

    筆ペン、ユニボール、マジックのマッキー、サインペン等です。間違えがないこと、なるべく見やすい字にすることです。

    ――創業55周年ちらしを見たお客様の反響はいかがですか?

    実際の店舗でのお客様の反応は「見づらい!」「商店街のチラシみたいで懐かしい!!」という声が多かったですね。 

     最後に、今後のサミットをどのようなスーパーにしていきたいですかと伺ったところ「創造力のある革新的なスーパーマーケットにしていきたいと考えています」と意気込みを語って下さいました。お店作りとは単に物をうるだけではなく、目立つために創造力も必要不可欠。今回のチラシしかり、店頭ポップしかり。しかし予算を大量に投入すればすなわちそれは販売価格に影響してきます。このためお店を作る人たちは、できることの・やれることの範囲内で、一つ一つ目立つ工夫をしていく。今回の手書きチラシは懐かしさから注目されましたが、サミットではこれからも創意工夫をつみかさねてお客様に喜ばれるお店作りを目指していくそうですよ。

    <取材協力>
    サミット株式会社(Twitter:@summitstore_co / HP: summitstore.co.jp

    (黒田芽以)

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