ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルは最新の旅客機E195-E2のデモンストレーションを行う世界ツアーをスタート。2019年7月8日(現地時間)、最初の寄港地となる中国の廈門(アモイ)空港に到着しました。

 E195-E2は、エンブラエルの小型ジェット旅客機Eシリーズの第2世代、E2で最大の大きさとなるモデル。座席数は最高で146席(シートピッチ28インチ時)と、ひとつ上のB737やA320と変わらない規模です。

 2019年4月にアメリカやヨーロッパでの型式証明を取得し、6月のパリ・エアショウでは新しい「テック・ライオン」塗装となってお披露目されたE195-E2。世界デモツアーに使用されるのも、このテック・ライオン塗装の機体です。

 最初の寄港地となった中国は、エンブラエルが地元の中国航空工業集団(AVIC)と提携し現地法人(エンブラエル・チャイナ)を設立している国。E195-E2の航続距離(5000km弱)だと北京から中国全土はもちろん、タイやベトナム、フィリピン、日本といったアジア地域の近距離国際線もカバーできるので、有望な市場だといえます。

 エンブラエル・チャイナの関東元代表は「2018年、中国の航空旅客数は2ケタ成長を続け、前年から10.9%拡大しました。それに伴い、都市間を結ぶ国内線需要も拡大しており、政府は地域航空路線の開設を援助する方針を打ち出しています。これはすなわち、150席までの旅客機にとって、大きな市場となる可能性が高いことを示しています」と、中国がE195-E2の有望な市場であることを強調しています。

 エンブラエル・チャイナは現在、中国のリージョナル旅客機市場において7割近いシェアを持っており、中国本土とモンゴルの航空会社8社によって105機が運航されています。中国では2018年11月にE190-E2のデモンストレーションツアーを行っており、中国ではモンゴルのウランバートルを含む11都市の空港でデモフライトを実施しました。エンブラエルにとって、中国が重要な市場であることがうかがえます。

 エンブラエルでは、この中国を皮切りにアジア太平洋地域を巡るデモンストレーションツアーを8月にかけて行う予定。いずれ日本にも飛来すると思われます。

<出典・引用>
エンブラエル プレスリリース
Image:Embraer

(咲村珠樹)