学生生活から社会人、そして結婚、子育て。若い時にやりたかったことをやれないまま結婚から子育てに入ってしまったという人、結構いると思います。昔からの夢を諦めようとしていた母の背中を押した娘と、その二人のツーリングの様子に多くの人が心を動かされています。

 「お母さんの話。20代の頃にバイクにはまって、もちろん乗りたかったけど親とか周りに反対されて結局乗れなくてすっごい悔やんで……そんなお母さんを見かねた娘の『バイクの免許一緒に取りに行こう!今からでも遅くない!』の一言で30年越しにその夢を叶えました」と、母と娘のツーリング2ショット写真をツイッターに投稿したのは、愛知県在住のバイク女子のyuinaさん。

 母と娘が互いにバイクにまたがったままで、グータッチしている笑顔の写真。その嬉しそうな晴れやかな笑顔に、見た人たちからは、「とてもいい話」「思わずウルっと来た」「最高の親孝行!」といったリプライがたくさん寄せられています。

 中には、yuinaさんのお母様と同世代の母親陣からも、「若いうちに免許を取っておけばよかった、羨ましい」「子どもがバイクの免許を取った時に自分も我慢できなくなり、一緒に免許を取った」「私も若い頃に親に反対されたけど、子どもが成人してからバイクの免許を取りに行きましたよ」と、免許を取った母側と同じ立場の人たちからも、祝福と一緒に自身のエピソードを語る人たちも。

 yuinaさんのお母様、実は高校生の頃からバイクにハマっていたのだそう。yuinaさんによると、バイク好きがこうじて、体育祭の時にはHONDAのCBR250Rをクラス看板として描いたほど。しかし、ごお母様のご両親からや周囲から反対されてしまい、結局免許取得の許可が取れず。そしてそのまま結婚、出産となり、育児をしながらも心の中ではバイクに対する熱はずっとくすぶっていた模様。

 そんなバイクへの愛を、yuinaさんは小学生の頃から度々聞いており、中学の頃辺りから、「バイクってかっこいいな」と思い始めたそう。しかし、自分で乗ってみたい!とまではその当時にはならなかったとのこと。

 yuinaさんのお母様は、普段は明るくてポジティブな性格。あまりネガティブな話はしない方だそうですが、yuinaさんが高校生くらいの時からお母様が50手前になり、「バイクの免許を取るのは年齢的にも本当に無理かもしれない……」とぼやきを聞くようになりました。

 「たったひとつだけ後悔してることがあるよ。それはバイクに乗る夢をあきらめてしまったこと!」という母の後悔を聞いたyuinaさん。訳あって女手一つで二人の子育てを終え、やっと自分のための時間が安心して持てるようになったお母様。

 やっとご自身の人生を楽しめる……大きな責任を全うしたお母様をみて、「これは一緒に免許を取りに行くしかない」と、yuinaさんがお母様の背中を押すために発した「バイクの免許一緒に取りに行こう!今からでも遅くない!」この言葉が決め手となり、yuinaさんはお母様と一緒に自動車学校へ入校。途中お母様が手こずっているのをyuinaさんは待ちつつ、最後は一緒の日に卒検合格、晴れて卒業となったのでした。

 免許を取得して、yuinaさんと初めてツーリングに出た時のお母様、「まさか自分がバイクに乗れる日が来るなんて、しかも娘と一緒にバイクに乗る日が来るなんて夢にも思わなかった!本当にうれしい!これからのバイクライフが楽しみでしょうがない」と、yuinaさんにありがとうと何度も言ってとても喜んでいたのだそう。長年の夢が自分の娘の後押しで叶ったこと、きっと感無量だったことでしょう。

 その後、yuinaさんの弟さんも「風になりたい!」とバイクへの憧れを持つように。弟さんは自動車のAT免許はあるものの、2輪の免許は持っていなかったので自動車の免許でもバイク同様に乗ることが出来るトライクを選んだのだそうです。そして今では親子3人でツーリングに出かけることもしばしばなんだとか。仲の良い親子でのツーリング、とても楽しそう!

 今ではyuinaさんとお母様はそれぞれドラッグスター250、弟さんはNC750トライクに乗って、休日や夜のツーリングを家族で楽しんでいる様子。最初はお母様の背中を押すために取った免許、今では免許を取ったおかげでバイクの魅力を知ることができ、どっぷりとバイク沼に浸かっている様子。

 やっぱり、家族で共有できる趣味って素敵です。同じ趣味の話を語り、家族の絆も深まる……。最高の親孝行ですよね。

<記事化協力>
yuinaさん(@yuina736)

(梓川みいな)