女性同士の会話の中でもなかなか話しにくい、体に関する悩みはいくつかあります。その一つが「尿もれ」。

 近頃では「Urinary Incontinence(カタカナ表記:ユリナリー インコンチネンス)」の略「UI」とも呼ばれており、吸水ケアブランド「ウィスパー」を展開するP&Gが、尿もれに関する理解と適切なケアを広めようと、この「UI(尿もれ)」啓発活動を展開。

 専用ケア用品「ウィスパーうすさら」を応募者全員にプレゼントするキャンペーンを2020年3月31日まで公式サイト上で行っているほか、全国20代~60代の男女1万人(男性5001人、女性4999人)を対象に「花粉症とUI(尿もれ)」に関する実態調査を実施、調査結果を発表しました。

■ 尿がもれる原因の一つは「骨盤底筋」のぜい弱化

 そもそも尿もれとは、普段何気なく生活するなかで、自分の意思とは関係なく、尿を漏らしてしまうこと。僅かな量で後から下着の汚れを見て気づく程度の事もあれば、その時すぐ感じるほどの漏れ方をすることもあります。

 今回のP&Gの調査結果にコメントを寄せている、女性のための泌尿器科「ウロギネコロジー」のプロフェッショナルであり、亀田総合病院 ウロギネセンター長の野村昌良(のむら・まさよし)先生の説明によると、尿もれするきっかけとして「せきやくしゃみをしたとき」「重い荷物を持ち上げたとき」「笑ったとき」「腹圧がかかるようなスポーツをしたとき」等があげられています。

 これは「お腹に力が入ることで膀胱(ぼうこう)が圧迫されて」起こる腹圧性の尿もれで、子宮や膀胱(ぼうこう)などを支えている「骨盤底筋」がぜい弱化することにより、尿道を締め付けられずちょっとした腹圧でも尿がもれてしまうという症状。「腹圧性尿失禁」と呼ばれています。

※ウロギネコロジー=ウロ(Urology泌器科)とギネ(Gynecology 婦人科)をくみあわせた造語。泌尿器科と産婦人科の境界領域にある病を治療する診療科。

■ 花粉症女性は尿もれの悩みが男性の3倍

 尿もれのきっかけとなる「せき」や「くしゃみ」の腹圧を使う症状。これからの季節には花粉が多く飛ぶこととなり、それにともない花粉症をもつ人たちはよりせきやくしゃみをする機会が増えてきます。

 今回の調査では、花粉症の症状があるか聞いています。すると男性は44.1%、女性は45.1%が花粉症の症状が「ある」と回答。

 症状が「ある」と答えた4460人(男性2205人、女性2255人)を対象に、花粉症の時期に困ることを聞いたところ「くしゃみやせきで尿もれしてしまう」と答えた男性が3.8%、女性は11.0%という結果に。花粉症の発症自体に男女差はないものの、花粉症の季節の尿もれの悩みは男性より女性の方が約3倍多かったそうです。

 花粉症の症状に関係なく、全員に、くしゃみやせきで尿もれしたUI(尿もれ)経験がある」かも質問しています。すると、男性は13.5%、女性は43.2%という結果。女性の約4割、そして男性の尿もれ経験者の約3倍もの女性が経験していることになります。

 なお、「尿もれを自覚したきっかけ」を尿もれに気づいている女性3493人に聞いたところ、年代による違いはなく20代でも半数以上、30代以降は6割以上が「せきやくしゃみ」と答えています。そう考えると、男性に比べて女性は尿もれしやすいことに加えて、花粉症の症状、せきやくしゃみが重なると、花粉症をもつ女性にとってはこれからの季節は悩みがより一層深刻になる時期であると言えそうです。

 しかし一方で、実際の対策についてはこんな回答も。「UI(尿もれ)症状に気づいている」3493人にどんな対策をしているか聞いてみると「早めにトイレに行く」(37.3%)、「おりものシートの使用」(26.0%)が上位に。専用ナプキン・ライナー、専用パッド、専用パンツタイプおむつなど「UI(尿もれ)ケア用品の使用」(21.9%)は約2割。20代は7.5%、30代は11.7%と若い世代ほど利用率は低くなっており、対策の中では3位にとどまっています。また「特に対処をしていない・したことはない」(20.8%)も2割ほど存在しています。

 使ったことがない人の理由は「生理用品などの代用品で十分だと思うから」(36.0%)という意見が最も多く、次いで、「使うことに抵抗があるから」(16.9%)、「購入することが恥ずかしいから」(15.8%)といった心理的なハードルを感じているようです。

■ 尿もれの緩和や予防には「骨盤底筋体操」や「体幹トレーニング」

 尿もれ対策について、先に紹介したウロギネ専門医の野村医師は発表のなかで、デリケートゾーンを「清潔」かつ「快適」に保つことも重要だとして、専用ケア用品の使用を推奨するとともに、尿もれの緩和や予防策案も紹介。

 骨盤底筋が弱まり“ぐらぐら尿道”になっている人は、その筋を鍛える「骨盤底筋体操」や、インナーマッスルを鍛える「体幹トレーニング」が効果的だと説明。トレーニングの成果が出るまではある程度の時間がかかるので「家事をしながら行ったり、テレビを見ながらなど、気軽に日常生活に取り入れてみるなどし、無理なく継続することが大切です」と語っています。

【調査情報】
▼調査1 男女1万人に聞く、花粉症調査
・時期:2020年1/10(金)~1/14(火)
・手法:インターネット調査
・対象:全国20代~60代男女1万人(男性5,001人、女性4,999人)

▼調査2 自身のUI(尿もれ)に気づいている女性に聞く、UI(尿もれ)対策調査
・時期:2019年7/20(土)~7/21(日)
・手法:インターネット調査
・対象:全国20代~60代の自身のUI(尿もれ)に気づいている女性3,493人
全国の20代~60代の女性4万人にUI(尿もれ)経験を聞き、その中から人口動態に基づき1万人を抽出 1万人の内訳は、UI(尿もれ)経験あり7,353人(うち、ご自身で気づいている女性3,493人、 気づいていない女性3,859人)/UI(尿もれ)経験なし 2,647人。
※人口動態に基づきウエイトバック集計(小数点以下を四捨五入)。
※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入。
(吸水ケアブランド「ウィスパー」調べ)

情報提供:プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社

(栗田まり子)