キャシャーン-タツノコ「うちの本棚」、今回はタツノコプロの『新造人間キャシャーン』のコミカライズ版を取り上げます。

『新造人間キャシャーン』には複数のコミカライズ作品があり、今回取り上げるのはそのうちのエースファイブコミックス版と「テレビマガジン」連載版をカップリング収録したものです。


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タツノコプロ制作の『新造人間キャシャーン』には複数のコミカライズ作品があったが、放映当時に単行本化されたのはエースファイブコミックス版の書き下ろし作品のみだった。2004年になって英知出版から、実写映画の公開に合わせる形で、エースファイブコミックス版と「テレビマガジン」連載版のカップリングと「冒険王」連載版が全2巻で刊行された。本書はその前者であるカップリング版である。
 エースファイブコミックス版は全2巻で刊行されたが、1巻と2巻では作画担当者が違っており、1巻では渡辺福男のほか、若宮幸夫、大辻やすたかの3名が、2巻では島おさむがクレジットされている。共通していえる印象は人物メインで描かれていて、背景は最小限に抑えられている点である。おそらくアニメーター出身者がコミックの作画に起用されたことも理由なのだろう。そのあたり「テレビマガジン」版の秋本シゲルの作画と比べるとよくわかる。
 エースファイブコミックス版、「テレビマガジン」連載版共に同じエピソードを取り上げている部分があり、元になったシナリオをどうコミックとして処理しているかも本書の楽しみ方のひとつだろう。

書 名/新造人間キャシャーン・PLATINUM.SIDE
著者名/タツノコプロ
出版元/英知出版
判 型/B6判
定 価/2600円
シリーズ名/トラウママンガブックス
初版発行日/2004年11月12日
収録作品/エースファイブコミックス版、「テレビマガジン」連載版

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/