冬場は葉物野菜が美味しい季節。特に白菜は鍋物にもお味噌汁にも炒め物にも何でも幅広く使える万能野菜。でも、白菜について知らない事も多く……。そんな白菜の「知らなかった」が「知れてよかった」となったツイートが話題になっています。
レシピではなく白菜の黒いブツブツの話です#これ良かったからどうぞ pic.twitter.com/hGH42pgUdg
— 祭 (@hohoho09261) 2017年11月10日
野菜卸の会社につとめていた経験があるイラストレーターの祭さんが、自身の漫画で白菜の黒いブツブツの謎について触れています。この黒いブツブツした点、「ゴマ症」という症状だそうです。
鍋物にしようと白菜をザクっと切ると出てくる黒い点々。漫画では「お~、こんなにブツブツ~」とニコニコしながら調理しています。さかのぼる事数年前、祭さんは野菜卸の会社に勤めていました。その当時に多かったのが、白菜の黒い点々が多いからというクレーム・返品の電話。農家さんはこの「ゴマ症」と呼ばれる黒い点々が出ないように日々努力をされているようですが、見た目が気になるせいでお客さんからお店へ、そしてお店から農家へとクレームが伝わって行ってしまっているという事です。
このゴマ症、見た目が気になるだけで実は何ら害のないモノ、白菜が低温などのストレスにさらされた時にできるポリフェノールの塊みたいなものです。ポリフェノールというと抗酸化作用などで健康にも良い事は最近になって良く知られてきています。
ですので、何ら問題なし。漫画でも「斑点は白菜が頑張ったしるし」として紹介しています。これを知ればもう白菜のゴマ症の見た目なんて気になりませんし、むしろ黒いブツブツがしっかり入った方を買ってこようという気にもなりますよね。
しかし、ゴマ症について意外と知らない人が多いせいか祭さんの漫画にもあるとおり返品がかなり多かったそうです。祭さんにお話を聞いたところ、何と1シーズンで全体の約4割もの返品があったそうです。ちょっと高級なお店に卸していたそうですが、それにしても返品率の高さに驚きです。あまりの返品率の高さに営業さんもよく怒られていたそうで……営業さんにも白菜にも農家さんにも罪はないのにね。
昔からやっているような個人商店だと買い物する時に「こういうのが活きがいいよ」とか「見た目こうなっているけどこれが美味しい証拠」とか教えてもらったり、お店の人にも売っている物に対して気軽に質問できたりなんてありましたが、今はほとんどがスーパーなどで一律に並べられている商品を自分で品定めして買う時代。誰にも気兼ねなく買えるようになった反面、こういう商品の豆知識をお店で得る機会も減ってしまいました。だからこそ、こうしてネットを介して情報共有していくのが大事になってきていますね。
ちなみにゴマ症。ゴマをまぶしたような見た目からその名がつけられていますが、人によっては「白菜のそばかす」「そばかす白菜」と呼ばれることもあります。白菜のそばかす……。言い方かえるだけで、なんだかキュートに思えてくるので不思議です。
<記事化協力>
祭さん(@hohoho09261)
(梓川みいな)