テレビ東京系の人気番組『池の水ぜんぶ抜く』シリーズ。意外なものが見つかったりと様々な話題を提供してくれますが、2017年9月に放送された日比谷公園の回で発見された佐賀藩江戸上屋敷の瓦が、2018年1月1日から佐賀城跡に位置する佐賀城本丸歴史館で、1か月間の特別展示が行われています。

 今回佐賀城本丸歴史館で展示されているのは、2017年9月3日にテレビ東京で放送された『緊急SOS!超巨大生物が出た!出た!池の水ぜんぶ抜く大作戦4』で、日比谷公園の雲形池(1905年頃に作られた、公園等の装飾用としては日本で3番目に古い「鶴の噴水」で有名)から発見された、佐賀藩江戸上屋敷の軒丸瓦と軒平瓦の破片。軒丸瓦には、佐賀藩鍋島家の「杏葉紋」が残っています。かつて佐賀藩の江戸上屋敷は、日比谷見附(江戸城日比谷御門)の御用屋敷、萩(長州)藩上屋敷などとともに、雲形池を含む日比谷公園の北側を占めていました。

 この展示は、2018年に明治維新(改元)から150年を迎えるのを機に佐賀県が開催する、幕末維新期における佐賀の偉人や偉業を未来に伝えていく目的で、佐賀市内各地と唐津市、鳥栖市の各資料館・博物館を会場に開催する『肥前さが幕末維新博覧会』(2018年3月17日~2019年1月14日)を記念したもの。幕末の佐賀(鍋島)藩は、1853年長崎に来航したロシアのプチャーチンが持ち込んだ蒸気機関車の模型を、1855年に藩士の本島藤太夫や中村奇輔、田中久重(東芝創業者)らが見よう見まねで製作に成功(実物は佐賀市の鍋島徴古館に収蔵・非公開。複製が佐賀城本丸歴史館に展示)したり、国産初の実用蒸気船「凌風丸」を建造するなど、他藩に先駆けて進んだ科学技術を持っていました。現在も東京に残るお台場(品川台場)には、佐賀藩の技術を使用した大砲が設置されていたといいます。こうした藩の近代化を推進した佐賀藩10代藩主・鍋島直正が誕生した江戸上屋敷の瓦を、ぜひ佐賀の地でも多くの人にご覧いただきたいと、出土地である東京都の協力を得て、今回の展示が実現しました。

 佐賀藩江戸上屋敷の瓦が展示されるのは、2018年1月1日から2018年2月4日の約1か月間で入場料は無料。佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2丁目18-1)の開館時間は9時30分~18時で、期間中は無休です。

写真提供:佐賀城本丸資料館

(咲村珠樹)