イギリス海軍が2020年代の就役を予定している新型フリゲート、31e型。BAEシステムズは3月12日〜14日(現地時間)にカタールのドーハで開かれる防衛見本市「DIMDEX(Doha International Maritime Defence Exhibition & Conference)」で、その設計案を公開しています。
2010年のイギリス防衛白書でその原案的要素が出てきた31e型フリゲート。国際貢献活動で海軍の活動範囲が広がる中、麻薬密輸や海賊対処、さらには災害派遣など、様々な任務に対処できる汎用型として、他の艦艇との連携能力を向上させたものとして構想されています。将来にわたって活躍でき、さらには2030年代ごろの就役を構想している新型駆逐艦の基本設計にも発展できるよう、先進的な機能も盛り込んだものとすることが必要とされ、現在就役中の23型フリゲート13隻を置き換えます。
このプログラムで、最初の5隻建造を4年総額2億5000万ポンドで、BAEシステムズ、キャメル・レアードほか3社が「チーム・リアンダー」として受注。プログラム全体では12億5000万ポンドに及ぶとされています。船体の建造はキャメル・レアードが行い、BAEシステムズが全体のコーディネートを行います。
公表された設計案は「リアンダー・デザインコセプト」と題されたもの。リアンダーという名は、かつてイギリス海軍で運用していた、公式な型式名として番号を唯一用いなかったフリゲートと同じです。
リアンダー・デザイン案によると、31e型フリゲートは全長117m。最高速度25ノットで作戦半径7500海里とされています。ステルス性に配慮された全体的にノッペリとした外観で、公海や湾内での運用に適したものになっており、後部にはヘリコプターが発着する飛行甲板を備えています。
単艦での行動だけでなく、他国の部隊を含む艦隊の一員として行動できるよう、データリンク等にも配慮され、先進的な火器管制システムも盛り込むとのこと。この設計案をもとにさらにブラッシュアップし、1番艦の製造は2020年に開始される予定です。
Image:BAE Systems
(咲村珠樹)