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沖縄のアメリカ海兵隊で恒例のミリタリー版「料理の鉄人」開催

 2018年3月8日、沖縄県金武町にあるアメリカ海兵隊のキャンプ・ハンセンで、恒例の調理兵による調理コンテストが行われました。いわばミリタリー版「料理の鉄人」です。

  •  キャンプ・ハンセンで開催されたのは、アメリカ海兵隊太平洋基地(Marine Corps Installation Pacific=MCIPAC)の「フードスペシャリスト・オブ・ザ・クォーター・コンペティション」という、年4回行われる恒例の料理コンテスト。日本に駐留する海兵隊各部隊を代表する調理兵が集まり、その調理技術とプレゼンテーション、そして食材などに関する知識を競います。

     食は装備、兵士と並んで軍隊において重要なパートを占めます。食べ物によって兵士の士気が左右されるため、任務遂行能力に大きな影響を与えます。補給・兵站は軍隊を支える重要なセクションですが、食事の栄養バランスや味はとても重要なのです。また、平時には様々なVIPを接遇する機会があり、やはり食事は部隊や組織の印象を左右する重要なファクターです。旅行に行って、旅館やホテル、またその土地での食事が今ひとつだと、旅行先の印象が悪くなるのと同じですね。

     アメリカ海兵隊では調理担当兵を「フードスペシャリスト」と呼んでおり、独立した職種となっています。栄養学や調理技術を学び、前線で戦う兵士を栄養面でサポートして任務遂行を手助けするのが仕事。この「フードスペシャリスト・オブ・ザ・クォーター・コンペティション」は、文字通り年に4回開催されており、短いスパンで開催することで調理担当兵(フードスペシャリスト)のモチベーションと技術向上を促しています。

     各部隊を代表して集まったフードスペシャリストの調理コンテストは、数回の審査が行われ、そこを勝ち抜いた者が最終審査に進みます。最終審査では、食材など給養に関する栄養学などの知識を問う口頭試問も行われます。

     そして、大事な料理の味。上級幹部が揃い、官能審査(実食し、味や出来栄えなどを審査する)が行われます。この際には、サービング(配膳)の仕方も審査対象。盛り付けた料理をスマートに配膳しなければなりません。

     審査する上級幹部も真剣勝負。普段の食事とは違い、部下の評定につながる大事な料理です。様々な項目にわたってポイントをつけ、評価していきます。

     今回のコンペで優勝し、見事金メダルに輝いたのは、レクサス・マルティネス伍長。彼女は沖縄県浦添市にある、キャンプ・キンザーの第3海兵兵站群本部連隊に所属するフードスペシャリストです。銀メダルはエドワード・ブラウン3等軍曹。彼は沖縄県うるま市にある、キャンプ・コートニーの第3海兵師団本部大隊に所属するフードスペシャリスト。このほか、最終審査には第3海兵兵站群本部連隊のアビマエル・レイエスアギラー上等兵(写真左)と、キャンプ富士の諸職種共同訓練センターに所属するジュリオ・アルビノ3等軍曹が参加しました。

     これからもアメリカ軍を中心として、様々なミリタリー版「料理の鉄人」を紹介することがありますので、お楽しみに。

    Photo:USMC

    (咲村珠樹)

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