草花がよく生い茂る季節、空き地や道路わきには様々な花が咲いているのを見かけるようになりました。しかしその中には外国から来て定着したモノたちも……。その辺に咲いているタンポポも最近は日本の在来種ではなくセイヨウタンポポが殆どですが、こうした草花でも遊びながら引っこ抜けばただの草むしりも楽しくなるかも。そんな草花遊びが話題になっています。

 「New草花あそび研究所」所長で簡単で楽しくて完成度の高い草花遊びを数多く発信しているinoriさんが紹介しているのは、最近注目されている外来種の「ナガミヒナゲシ」を使ったもの。

ナガミヒナゲシ

 「今年もナガミヒナゲシでスタンプをしました。若い実鞘を使っています。急激に増え不安視されているナガミヒナゲシですが草むしりがてら遊ぶのはどうでしょうか?種が熟し始めたら蒔かないように注意です。」と可愛いスタンプを紹介しています。

 ナガミヒナゲシの若い実の頭の部分は先が平らで「*」みたいな形になっているのでインクを付けて紙などにハンコみたいに押すと、きれいに模様が押せるのです。

 このスタンプを見た人からは「こんな可愛いスタンプになるのか」「布用ステンシルのインクを使ってエコバッグやTシャツの模様にしても可愛いかも」といった反応が。一方、ナガミヒナゲシの繁殖力の強さを心配する声も。この植物は特定外来生物ではないもののその繁殖力の強さから複数の自治体でも対策を呼び掛けていたりもします。

 inoriさんの話によると、大繁殖した翌年には急激に数が減るとの事。生育期間も短く根っこも弱いので簡単に抜くことができるそうです。ただ、未成熟の種でも発芽するほど繁殖力が強くそのこぼれ種が本来生えていた他の草たちを押しのけて繁殖する事もあるので、花を摘んだりスタンプ遊びをした後はビニール袋に入れて口をしばってゴミに出しましょう。

建物脇に大繁殖するナガミヒナゲシ(編集部撮影)

 ナガミヒナゲシは花も実も可愛いので道端に生えているとつい摘むのがかわいそうにもなりそうですが、遠慮なく摘んで遊んで後始末もしっかりやれば大丈夫。花は咲いたら1日くらいで散ってしまうほど日持ちのしないものですが、その分若い実をたくさん摘んで、色んな実のスタンプを楽しむのも良さそうですね。

<参考>
農業環境技術研究所|ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、雑草化リスクが大きいので、広がらないようにする必要があります
生態系被害防止外来種リスト | 日本の外来種対策 | 外来生物法
<記事化協力>
inoriさん(@kusabanaasobi)

(梓川みいな)